二宮和也が圧巻の演技 「邪魔」はクールすぎ 『ブラックペアン』
看護師役の葵わかな、趣里も人気キャラになりそう
脇役だが、看護師役も魅力的で必見だ。新人看護師・花房美和役をNHK朝ドラ『わろてんか』でヒロインを務めた葵わかなが好演している。一方、クールで渡海との相性が良い主任看護師・猫田麻里役を趣里が演じているのだが、これまたハマっており、人気キャラになりそうな予感がする。渡海と猫田、世良と花房という組み合わせの妙味が見事だ。 渡海役の二宮の迫力ある怪演には、放送中からネットも反応していた。倍賞美津子演じる母との親子関係が描かれるシーンでは、手術中の表情とは正反対の、どこにでもいるごく普通の息子の顔を見せており、振れ幅の大きな二宮の演技力を絶賛する声が目立つ。1話では、ある患者について「救けてください」と土下座する世良の懇願を聞き入れて手術をした渡海が、血の付いた手のひらを世良の肩に叩くように押し付けるシーンがあるが、実はアドリブだったという。二宮の、役への没頭の深さは凄まじいものがある。手術場面では医療用スコープやらマスクやらで、目以外の部分は隠されてしまう。しかし二宮は、目と仕草で渡海のダークさや天才ぶりを見事に伝えきっている。 渡海が人をどけるときの口癖である「邪魔」がクールに響く。今年の流行語になっても悪くなさそうだが、普通の人が真似するとただの嫌なヤツにしか見えないだろう。 次も観たい度 ★★★★★ (文・田村豊)