二宮和也が圧巻の演技 「邪魔」はクールすぎ 『ブラックペアン』
ドラマ『ブラックペアン』(TBS系、日曜よる9時)が22日からスタートしたが、人気アイドルグループ・嵐の二宮和也が演じる主人公、傲慢な性格で“オペ室の悪魔”と呼ばれる孤高の天才外科医・渡海征司郎のダークヒーローぶりが早くも評判だ。初回の平均視聴率も13.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と好調な滑り出しを飾った。そうそうたるキャストが揃うなか、渡海と、竹内涼真が演じる人間味あふれる研修医・世良雅志とのコントラストも大きな見どころになりそうだ。
ダークヒーローを二宮和也が怪演 原作小説では好青年・世良が主人公
渡海は、東城大学医学部付属病院にいながら出世に興味のない一匹狼。厄介者扱いされているが、手術の腕は天才的で、同僚からは「患者を生かし、医者を殺す」などと揶揄されている。同病院には、「神の手」と絶賛される外科医・佐伯清剛教授(内野聖陽)がいて、佐伯は渡海の手腕に一目置いている。この2人の関係にも、闇がありそうな気配がただよう。佐伯と日本外科学会理事長選で対抗する帝華大の西崎啓介教授(市川猿之助)の弟子・高階権太(小泉孝太郎)が、佐伯外科に新任講師として赴任。アメリカから持ち帰った最新医療機器「スナイプ」の使用を推進し女性患者の心臓手術を行うエピソードが、第1話の中心だ。オペのシーンもリアルで迫力があった。 海堂尊氏の原作小説では世良が主人公だが、ドラマでは思い切って渡海を主人公にしたことがインパクトを高めている。演技力に定評のある二宮が演じる渡海は、悪の匂いを発散させてはいるものの、随所に「本当はいいヤツなのでは?」と思わせる要素が顔をのぞかせている。そんな渡海の下で働くことになった世良だが、まっすぐで患者思いの好青年が、果たして今後渡海との関わりの中でどう変わっていくのか? 2人とも性格も方法論もまったく異なるものの、「人の命を救ける」という点では共通したものが流れているようにも感じ取れる。 また、重く息の詰まるような場面が全編を通して目立つなか、世良の純粋なキャラは一服の清涼剤となっている。病院内を走るシーンでは、昨年ヒットしたドラマ『陸王』で演じたランナー・茂木裕人が重なってしまった。ダークヒーローの二宮と、人間味あふれる竹内の陰と陽のコントラストは今後も楽しめそうだ。