「おじさんドラマ」すっかり定着の底知れぬ魅力 ベテラン俳優が好演、世間の“おじさん観”も変化?
そうしたなか吉田鋼太郎は一見強面だが愛情深いおやじ役にぴったりで、相変わらず存在感がある。シーズン1のときにも後を引く面白さが評判になり、今回シーズン2となった。映画版も公開予定だ。 ■「おじさんドラマ」はひとつのジャンルに? いま、おじさんが主人公の「おじさんドラマ」が増えている。前クールも「おじさんドラマ」は花盛り。いずれも話題になった。 阿部サダヲが主演の『不適切にもほどがある!』(TBSテレビ系)、原田泰造が主演の『おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』(東海テレビ。フジテレビ系)は、昭和の価値観に染まったおじさんが、令和の若者たちと衝突したりしながらも少しずつ変化していく物語という点で共通していた。
そして田中圭、林遣都、吉田鋼太郎による『おっさんずラブ-リターンズ-』(テレビ朝日系)は、いうまでもなく男性同士の恋愛模様を描いた人気シリーズの続編。今回は、井浦新と三浦翔平も加わり、ますます濃いストーリーが繰り広げられた。 このように、一口に「おじさんドラマ」と言っても、年齢や性格などおじさんの人物設定にはだいぶ幅がある。もちろん『VRおじさんの初恋』や『おいハンサム!! 2』に出てくるおじさんも、これらとはまた違う。
だがだからこそ、それだけ主人公をおじさんにすることが特殊なことではなくなっているのがよくわかる。少し大げさかもしれないが、「おじさんドラマ」はひとつのジャンルになりつつあるような印象さえある。 ■「おじさんドラマ」を定着させたテレビ東京 こうした傾向は、いつ頃からのものなのだろうか? 2つのドラマに思い当たる。ひとつは『孤独のグルメ』、もうひとつは『バイプレイヤーズ』だ。 『孤独のグルメ』については、改めて説明の必要もないだろう。2012年にスタート。松重豊が演じる主人公・井之頭五郎が、毎回仕事で訪れた街でお腹が空き、食事をする。ただそれだけのドラマだ。