企業のトップに聞く「今年の展望」 変化の年に何を目指す?挑戦や慎重さ…地域経済に必要なこと〈宮城〉
仙台放送
宮城県内の政財界の関係者が一堂に集まる新春恒例の新年のつどいが1月6日、開かれました。2025年の地域経済の見通しは。企業のトップに今年の抱負や展望を聞きました。 仙台市と仙台商工会議所が主催する「新年のつどい」。今年は青葉区の国際センターを会場に開かれ、1000人を超える政財界関係者が出席しました。 記者リポート 「去年は仙台市内でも慣れ親しんだ商業施設の閉店などが相次ぎ、宮城県を取り巻く環境の変化が目に見える形で現れました。地域経済の行く末を担うトップたちに新たな年の展望や抱負を聞きます」 まずは、去年、女川原発2号機の再稼働という大きな節目を迎えた東北電力。樋口社長が掲げた今年の抱負は。 東北電力 樋口康二郎社長 「今年の抱負は『挑む』。事業環境が非常に目まぐるしく変わっている中で、やはり挑戦し続けなければ会社として存続できないと思う」 景気については「天気に例えると曇りのち晴れ。初売りの人出も多くなっているし、インバウンドのお客様も増えている。横ばいか恐らく右肩上がりになっていく」と話しました。 続いては青葉区の老舗百貨店、藤崎の藤崎三郎助会長(※名字の「崎」は大が「立」となります。機種依存文字のため崎としています)です。藤崎会長は今年のキーワードを世界の安定と是正を願う「安是」という言葉にしました。 藤崎 藤崎三郎助会長 「トランプさんが大統領になる。アメリカの中が相当大きく変わる。変わるのはいいが良い方に変わるか、悪い方に変わるか全く分からない。それは立場や、やっていることによって変わってくるのでなんとも言えない」 今年の景気については、インバウンドの回復から「いろんな意味で期待していい」といいます。 藤崎 藤崎三郎助会長 「初売りはおかげさまで、予算というか予定していた金額はもちろん達成しているが、その中でインバウンドがどれぐらいあったかは分からない。ただインバウンドは間違いなく今年は増えていくと思うので、いろんな意味で期待していい」 七十七銀行 小林英文頭取 「(今年の抱負は)日本経済、地元経済の新たな成長に向けた挑戦としました」 七十七銀行の小林頭取は、景気について物価の上昇や世界情勢などの影響を懸念しつつも、緩やかに回復していくとして、成長するきっかけの年にしたいと意気込みます。 七十七銀行 小林英文頭取 「基本ベースとして緩やかに成長していくということで、それに向けて局面を展開して、日本が大きく成長していくきっかけにしたい」 太白区の秋保温泉にあるホテル佐勘の佐藤勘三郎社長は、今年のキーワードとして、目まぐるしく変化する国際情勢にちなみ「地を這う虫のように」と書きました。 ホテル佐勘 佐藤勘三郎社長 「今年はご存知の通り、国際的な政治情勢が非常に厳しく、観測不可能。今年は巳年なので、『地を這う虫』のような視点で経済を考えないと、大きな失敗をする気がしている」 仙台市で11月に導入が予定される宿泊税については「宿泊税を一つのバックボーンにしながら大きく国際観光を進めていきたい。その一助になりたい」と話していました。 続いては、アイリスオーヤマの大山会長です。今年の抱負に変化を挙げました。 アイリスオーヤマ 大山健太郎会長 「変化はチャンスの年、その変化に対して挑戦していきたい」 景気については、宿泊税の活用がポイントになると話します。 アイリスオーヤマ 大山健太郎会長 「宮城県はインバウンドが遅れている。遅れているということはこれから大きなチャンスがくる。首都圏に行っているインバウンド客を、いかに宿泊税を活用しながら、仙台に呼び込むか。そこが一番の大きなポイント」 人材派遣などを手がける東洋ワークグループの須佐尚康会長です。 東洋ワークグループ 須佐尚康会長 「『我以外皆我師也』。もうすべての人が自分の師として今年は1年頑張ります。自分以外の人をみんなお手本にして頑張るということです。そういう意味を込めて、今年はますますいろんな難しい1年になると思いますので、そこら辺を皆様からご指導いただきながら頑張っていこう、ということです」 須佐会長はトランプ大統領就任の影響を注視しつつ、外国人人材の受け入れを通して、人口減少や人手不足といった課題の解決を目指します。 東洋ワークグループ 須佐尚康会長 「海外からの人材を人口減少の東北に提供して、この東北がもっと元気の出るようにしたい」 最後に、仙台市中心部にある仙台国際ホテルの野口社長です。野口社長が今年、観光業界が成長するために必要だと考えているものに挙げたのは。 仙台国際ホテル 野口育男社長 「『発信』です。東北の一番これから必要なところとか、仙台、東北のまだまだこれから必要なのが発信力だと思う」 その上で、仙台市を起点にした新たな観光の形を構想しています。 仙台国際ホテル 野口育男社長 「仙台を起点に東京に日帰りで行っていただく。仙台を起点にして函館に行っていただく。そのようなムーブメントを発信していきたい」
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