ジョイスティック+ボタンで演奏。カンタンそうで難しい新発想の楽器
演奏は難しそうです。 米ウィスコンシン州にある小さな楽器メーカーMuse Electronic Instruments社が、新発想の電子管楽器「ZEN Flute」をリリースしました。この楽器、ジョージア工科大学が主催する2023年の「The Guthman Musical Instrument Competition」で最優秀賞を受賞しており、今までの電子管楽器とは一線を画した演奏方法を採用しています。 【全画像をみる】ジョイスティック+ボタンで演奏。カンタンそうで難しい新発想の楽器
演奏用のホール(孔)がない
見た目はもっさりしたアクリル樹脂製の黒い筒。フルートといいつつも、どっちかといえば日本の尺八をイメージさせます。まぁ「ZEN」ってネーミングからしてそっち系ですよね。 そもそもフルートのように多くのトーンホールが開いていません。尺八だって前面に4つ、後面に1つの手孔が開いているのに、ZEN Fluteはボタンとジョイスティックが1つずつ搭載されているのみです。 ボタンは演奏スタート&ストップなど、ジョイスティックはスケールのチェンジなどに使われるのですが、では音程はどこで制御するのか?
口の動きで音程調節
ZEN Fluteは「口のテルミン」というコンセプトを掲げています。テルミンはアンテナに手をかざして、手の高さによって音程を表現しますが、ZEN Fluteは口の開きや顎の位置、舌の動かし方などで操作するのです。 テルミンで正確な音程を演奏するのはかなりの技術を要しますが、ZEN Fluteもかなり難しそう。というか、他の管楽器とはスタイルがまったく異なるので、最初は戸惑う方も多いと思われます。ただ、ポルタメントのかかり具合とかかなり独特で、スキルを磨けばユニークな演奏スタイルも確立できそうです。 USBやMIDI端子も搭載されているので、本体内蔵の音源だけでなく、外部の音源を鳴らすこともできます。ライブで使いこなせたらいい感じですが、そこまで習熟できるか? 努力の価値はありそう。価格は320ドル(約4万8000円)です。 Source: Muse Electronic Instruments
巽英俊