曙ブレーキ、筆頭株主が交代 トヨタから事業再生ファンドのジャパン・インダストリアル・ソリューションズに
曙ブレーキ工業は12月19日、筆頭株主がトヨタ自動車から事業再生ファンドのジャパン・インダストリアル・ソリューションズ(JIS)に代わると発表した。JISが保有する議決権のない株式の一部6300株を2025年1月15日までに普通株式に転換する。転換後、JISの保有割合は50.72%に増え、トヨタの保有割合は第2位となる見通し。 これを受けて、日産自動車出身で三菱自動車副社長を務めたJIS非常勤顧問の長岡宏氏が2025年1月1日付で社長CEO(最高経営責任者)に就任する。長岡氏は同年2月末日開催予定の臨時株主総会を経て、代表取締役社長CEOとなる。宮地康弘社長CEOは退任する。 曙ブレーキは、北米事業の苦戦で財務基盤が悪化し、19年に私的整理の一種である事業再生ADR(裁判外紛争解決手続き)を申請。同年、JISから200億円を調達して人員削減や工場閉鎖、生産移管などを行い、24年6月に事業再生計画が終了した。曙ブレーキの広報担当者は、「JISが議決権のある株式を保有することで、当社の経営により一層参画し、事業成長のスピードを加速できる」と話した。