年金月額「10万円台」の割合は何パーセント?1万円刻みの男女別受給権者数を見る
日本の高齢化が進む中、老後の生活を支える財源である年金への関心が高まっています。厚生労働省による統計結果によると、2025年には、75歳以上の人口が全人口の約18%となり、今後も65歳以上の高齢化割合は増加していくことが見込まれています。 ◆【一覧表】厚生年金・国民年金「1万円刻み」の男女別受給権者数を見る そんな中、多くの人々が「どのくらいの額を受け取れるのか」「生活に十分な金額なのか」という疑問や不安を持っているのではないでしょうか。 今回は、年金受給額が月額10万円である人の割合や、厚生年金・国民年金の平均受給額を男女別に解説した上で、受給額の増やし方を説明します。自身の年金受給と照らし合わせて、ぜひ参考にしてください。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
日本の公的年金の構成
日本の公的年金の構成は2階建てになっています。 国民年金を支払うことで受給できる老齢基礎年金と、厚生年金に加入していた人が受給できる老齢厚生年金です。 厚生年金に加入をしていた期間は、国民年金の保険料の負担はありませんが、加入期間としてカウントされます。厚生年金の加入期間がある人の年金は、厚生年金分(老齢厚生年金)と国民年金分(老齢基礎年金)の合計額が振り込まれます。
厚生年金額の水準
次に、厚生労働省の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、年金受給額の水準をみていきましょう。 ●年金月額が10万円台の割合 まずは、年金月額が10万円(基礎年金(国民年金分)を含む)の受給者の割合です。 老齢年金受給者全体のうち、月額10万円台(10万円から11万円)の受給者が112万7493人、全体の約7%です。 その中で、年金1万円ごとの男女別受給者数は、下記の通りです。 ・1万円未満:男性4万2520人/女性1万8383人 ・1万円以上~2万円未満:男性1万79人/女性5649人 ・2万円以上~3万円未満:男性4930人/女性4万9991人 ・3万円以上~4万円未満:男性7128人/女性8万8044人 ・4万円以上~5万円未満:男性2万2573人/女性7万9829人 ・5万円以上~6万円未満:男性5万6631人/女性9万6142人 ・6万円以上~7万円未満:男性16万3911人/女性24万7838人 ・7万円以上~8万円未満:男性24万2231人/女性44万5242人 ・8万円以上~9万円未満:男性24万8550人/女性67万9961人 ・9万円以上~10万円未満:男性27万422人/女性85万3550人 ・10万円以上~11万円未満:男性34万2760人/女性78万4733人 ・11万円以上~12万円未満:男性43万1283人/女性60万2971人 ・12万円以上~13万円未満:男性51万9747人/女性42万5915人 ・13万円以上~14万円未満:男性62万5003人/女性30万500人 ・14万円以上~15万円未満:男性73万5371人/女性21万7785人 ・15万円以上~16万円未満:男性83万5773人/女性15万8271人 ・16万円以上~17万円未満:男性92万6898人/女性11万3832人 ・17万円以上~18万円未満:男性98万1435人/女性7万6975人 ・18万円以上~19万円未満:男性95万8567人/女性5万1987人 ・19万円以上~20万円未満:男性87万3863人/女性3万6135人 ・20万円以上~21万円未満:男性73万5334人/女性2万3752人 ・21万円以上~22万円未満:男性55万3806人/女性1万5400人 ・22万円以上~23万円未満:男性37万3837人/女性9745人 ・23万円以上~24万円未満:男性24万7558人/女性5971人 ・24万円以上~25万円未満:男性16万2911人/女性3370人 ・25万円以上~26万円未満:男性10万437人/女性1854人 ・26万円以上~27万円未満:男性5万8850人/女性916人 ・27万円以上~28万円未満:男性3万3028人/女性435人 ・28万円以上~29万円未満:男性1万5615人/女性178人 ・29万円以上~30万円未満:男性7225人/女性126人 ・30万円以上~:男性1万2164人/女性326人 10万円から11万円の受給者は、男性が34万2760人、女性が78万4733人です。また、女性のボリュームゾーンは9万円台から10万円台となっています。 ●老齢厚生年金の平均受給額(男女別) 次に、男女別の厚生年金(基礎年金を含む)の平均受給額です。 ・男性:16万3875円/月 ・女性:10万4878円/月 男性の平均受給額は女性の約1.6倍となっています。 10万円の受給者割合や平均値からわかる通り、女性は約10万円を平均値としてその前後の金額で年金受給者が分布しており、男性は受給額10万円のラインは受給者の中で低額の層で、多くの受給者がそれ以上の金額を受給しています。 これらの数字から、厚生年金においては男女間で大きな格差があることがわかります。