日本初公開を含む全20作品を一挙上映! 台湾を代表するニューシネマの名作が『台湾巨匠傑作選2024』で特集上映中
東京のミニシアター・新宿K’scinemaでは、7月20日から8月30日まで『台湾巨匠傑作選2024』が特集上映されている。ホウ・シャオシェンやエドワード・ヤンなど台湾ニューシネマを代表する監督たちの名作に加え、幻と言われるワン・トンの「台湾近代史三部作」など、全20作品がラインアップ。 【画像一覧】日本初公開を含む上映作品たちのビジュアルと、特集の公式ポスターが解禁。 「台湾近代史三部作」とは、台湾ニューシネマを牽引した傑物ワン・トンが監督した『村と爆弾』『無言の丘』『バナナパラダイス』の3作品を指す。彼は、日本統治から戦後へと激動する台湾の歴史や社会の変化に焦点を当て、戦争などの不条理に翻弄される庶民の生活を描いた。その中でも『無言の丘』と『村と爆弾』は、今回が日本での初上映だ。 『この世界の片隅に』を描いた漫画家のこうの史代は、『無言の丘』についてこのようにコメントしている。「怒りにもキリがない。悲しみにもキリがない。せめてキリがないほどの菜の花で飾らないと気がすまない。そんな優しい映画」 多くの日本人ファンを持つホウ・シャオシェンの作品も、今回の目玉と言えるだろう。60年代の台北で生まれた淡い恋を映した『恋恋風塵』や、孤独な少女から見た台北の闇を表現した青春群像劇『ナイルの娘』なども上映プログラムに含まれている。 商業映画とは一線を画す台湾ニューシネマは、台湾社会やその日常性をより深く掘り下げたテーマにフォーカス。その高い芸術性は、台湾文化のアイデンティティを構成し、台湾映画界に大きな影響を与えた。今回の特集上映は、台湾ニューシネマを知り、台湾の文化を回顧できる貴重なチャンスだ。ぜひ劇場まで足を運んでみてほしい。
文:Pen編集部