豊橋鉄道市内線で専用信号の運用が始まる
愛知県豊橋市の八町通3など7カ所の交差点で16日、豊橋鉄道市内線専用の信号の運用が始まった。路面電車と自動車の交通の流れを分けて、接触する事故を防ぐ。15日午後8時、県警交通の職員らが、交差点ごとに設置された信号制御器のスイッチを入れ、矢印信号の点灯を確認していた。 これまで、市内の交差点では路面電車と自動車は同じ信号を使用していた。乗用車の対面する信号が青の場合、直進、左折、右折ができ、路面電車も進むことができた。そのため、自動車が右折して線路を通る際に、電車や歩行者とぶつかる事故が懸念されていた。2019年には同市旭本町の交差点で交差点を右折していた軽トラックと電車がぶつかる事故が発生している。 これに対応するため、県警は路面電車専用の信号と自動車の右折専用の矢印信号を設けた。今後は、矢印の方向でしか自動車は進行できなくなる。右の矢印の場合は路面電車の信号は赤のため進むことができない。県警交通規制課次長の橋本博史さんは「すぐは慣れないと思うが、信号を確認して運転してほしい」と注意を促した。 豊橋鉄道鉄道部の関係者は「豊橋の道は狭いですし、少しの速度でも電車は揺れるので、警笛を鳴らして注意を促すこともあった。接触事故が起きてしまうと、乗客を待たせてしまうことになるので助かる」と話す。
浜松市から通う20代の男性会社員は「より安全に走行できるのは助かる」など好意的な意見がある一方で、スムーズな運行が妨げられると懸念する声もあった。 広島市や熊本市ではすでに導入されている。
東愛知新聞社