開幕間近! 最後のツアーとなるパッパーノと歌手陣が登壇。英国ロイヤル・オペラ2024年日本公演開幕記者会見
英国ロイヤル・オペラ2024年日本公演が、6月22日(土) に開幕する。彼らの5年ぶりの来日は、22年もの長きにわたり音楽監督を務め、今シーズンで退任するアントニオ・パッパーノによる最後のツアー、最後の公演になるという。初日の幕が開く4日前に実施された開幕記者会見にはパッパーノ自身も登場、出演者たちとともに、上演するヴェルディ作曲『リゴレット』、プッチーニ作曲『トゥーランドット』について、またロイヤル・オペラの魅力について語った。 【全ての写真】英国ロイヤル・オペラ開幕記者会見より
『リゴレット』、『トゥーランドット』は最高のコンビネーション
この日の会見には、英国ロイヤル・オペラハウス(ROH)のオペラ・ディレクターで、『リゴレット』の演出を手がけたオリヴァー・ミアーズ、2作品を指揮するアントニオ・パッパーノ、『リゴレット』マントヴァ公爵役のハヴィエル・カマレナ、ジルダ役のネイディーン・シエラ、『トゥーランドット』リュー役のマサバネ・セシリア・ラングワナシャ、カラフ役のブライアン・ジェイドら6人が登壇。豪華な顔ぶれに、会場はぐんと華やかな雰囲気に。 まずは主催の公益財団法人日本舞台芸術振興会、髙橋典夫専務理事が挨拶。本公演の概要とともに、『トゥーランドット』のキャスト変更が伝えられた。トゥーランドット姫役で出演予定だったソンドラ・ラドヴァノフスキーが副鼻腔炎、および重度の中耳炎を発症、来日できなくなり、代わりにマイダ・フンデリングが同役を歌うという。 その後マイクを渡されたのは、会見の直前に空港から到着したばかりというミアーズ。この日の東京は朝から本降りの雨、日本公演が実現できたことへの感謝の思いを述べるとともに、「英国のお天気まで一緒に持ってきてしまった」とジョークを飛ばした。「私の演出で2021年に世界初演した『リゴレット』を携えて来ることができ、とても嬉しく思います。火花が散るような素晴らしい舞台、ハイレベルのスコアをひとつにした、最高のオペラだと思います。『トゥーランドット』のほうは、ROHの最も古い演目のひとつ。セット、衣裳、振付と、長く愛されるだけのものを備えています。22年にわたり音楽監督を務めたパッパーノ氏の、これが本当に最後の公演ですから、甘酸っぱい思いも。多くの皆さんに楽しんでいただけたら何よりです」。 続いてはパッパーノ。「『リゴレット』は完璧なオペラ。原作はビクトル・ユーゴーですが、シェイクスピアを彷彿とさせ、新しさ、新鮮さ、すべてを持ち合わせた最高のオペラです。『トゥーランドット』はまた全く違い、オラトリオのようでもあり、儀式的な舞踊をともなう、特別なオペラです。最初は、メロドラマでもないし物語性もいまひとつだし、『ラ・ボエーム』のようなロマンティックな場面もないし、と思っていたけれど、大きな間違いでした。これは、他のオペラとは全く違うゆえに、特別なもの。プッチーニは新しいオペラの形を提示してくれたのです。ヴェルディとプッチーニは、最上のコンビネーションです」とアピールした。