開幕間近! 最後のツアーとなるパッパーノと歌手陣が登壇。英国ロイヤル・オペラ2024年日本公演開幕記者会見
豪華キャストが語る、役柄との縁、演じることへの思い
続いて歌手陣のコメント。『リゴレット』のマントヴァ公爵役、ハヴィエル・カマレナは今回が初来日だそう。 「私の声の高さでできる悪役は少ないので、楽しんで演じたいと思っています。ミアーズさんのこの人物に対する解釈は、私も同じように考えていて、やりがいを感じる。この役をロマンティックに描きたがる方もいますが、彼のその解釈、またマエストロ・パッパーノの『リゴレット』に対する考え方にも賛同する。それだけに、このアイコニックなオペラの公爵役を歌うことは光栄なこと。過去の偉大なテノールたちが皆、歌ってきた役柄です。声のみならず、役作りにおいても、自分独自のアプローチを見ていただきたいと思います」 マエストロ・パッパーノと最初に共演した作品が『リゴレット』だった、と話すのはジルダ役を歌うネイディーン・シエラ。 「私がプロの道でやっていくうえで大きな意味を持つ役となりました。この役は、私に希望や喜び、勇気を与えてくれた。これからも歌い続けたい役です。この作品に対する深い知識を持つマエストロのガイダンスのもとで演じることは、大きな喜びです」 マサバネ・セシリア・ラングワナシャは、プロとして正式に歌った初めての役が、まさに『トゥーランドット』のリューだったという。 「この役を学んだのはROHのジェット・パーカー・ヤング・アーティスト・プログラムでのこと。この時、マエストロ・パッパーノに私の歌を聴いてもらい、『君はこの役を全て、きちんと学ぶべきだ』と言われたのです。リュウには3つの特別な、美しいアリアがあります。皆さんの印象に残る素敵な役ですし、オペラそのものも実に壮大。舞台に立つ私たちでさえ、本当? マジ!? と感じるほど! 最高のステージを、ぜひ楽しんでいただきたいと思います」 『トゥーランドット』カラフ役のブライアン・ジェイドは、前のリハーサルの終了直後に飛行機に飛び乗り、少しでも早く到着して全部のリハーサルに参加しようと、文字通り飛ぶようにして日本にやってきたという。 「カラフ役は、テノールにとって素晴らしい、偉大な役のひとつ。自分が勝利を収めることに疑いがなく、夢を叶える自信を持っている。それだけに全く息を抜く間がない役です。一緒に歌うのは素晴らしいキャストばかりですから、ともに舞台に立つのが楽しみです」