尹氏逮捕状に公邸緊迫、「執行反対」市民ら警察ともみ合い…周辺では反対派と賛成派がどなり合い
【ソウル=小池和樹】韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領に対する内乱容疑などの逮捕状執行に向け、高位公職者犯罪捜査庁(公捜庁)などの合同捜査本部が大統領公邸敷地内に入った3日、公邸周辺では執行に反対する市民らが多数集まり、緊迫した雰囲気に包まれた。 【写真】2日、逮捕状執行を防ぐためソウルの大統領公邸前で座り込みをし、警察に連行される尹氏擁護派の市民(中央)
一部の韓国メディアが3日にも逮捕状を執行する見通しと前日に報じていたこともあり、この日は夜明け前から尹氏を擁護する市民が周辺に集結し、「大統領は私たちが守る」「公捜庁は帰れ」などとシュプレヒコールを繰り返した。周辺では警察の機動隊が車両や隊列を組み、市民を公邸から遠ざけていた。
公捜庁の捜査員らが午前8時過ぎに公邸敷地内に入ったことが伝わると、警察の警戒線を突破しようとする市民らと警察のもみ合いも発生した。ただ、午後になって公捜庁が逮捕状執行の中止を発表すると、「私たちの勝利だ」(49歳の女性)といった声が上がっていた。
ソウル市内の女性会社員(61)は取材に対し、「大統領は何も間違ったことはしていない。また逮捕状を執行しに来るかもしれないので、国民が守らなければならない」と興奮した様子だった。
一方、この日は尹氏の早期逮捕を求める市民団体らも、公捜庁の捜査中止後に集会を公邸近くで開いた。韓国メディアによると、公捜庁の捜査を阻んだ大統領警護庁を批判し、公邸に向かって行進した。公邸近くでは、尹氏の逮捕反対派と賛成派がどなり合う姿も見られた。