ウォール街、S&P500種企業の利益に強気シグナル-米国株に朗報
(ブルームバーグ): アナリストはここ2年で最速のペースで米企業の4-6月期業績予想を上方修正しており、利益低迷の最悪期が確かに終わった可能性を示唆している。
S&P500種株価指数構成企業の90%近くが1-3月期決算を既に発表。好調な業績を受けて、ウォール街が4-6月期の利益予想を引き上げていることが、ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)のデータから読み取れる。
底堅い景気と旺盛な消費者需要を背景に、3四半期連続の減益の後は3四半期連続の増益となりそうだ。BIのデータによると、景気サイクルと強い結びつきを持つエネルギーと素材の2部門で見通し引き上げが目立っている。
BIのシニアアナリスト、ウェンディ・スーン氏は「従来の見通しが悲観的過ぎるかもしれないと考えて、業績予想を上方修正すると示唆するアナリストが増えており、今年の米国株の行方にとって良い兆候だ」と指摘した。
S&P500種企業の1-3月期利益はこのままいけば7.1%増と、決算期前時点でのアナリスト予想の3.8%増を上回りそうだ。
BIのデータによると、向こう1年間の予想1株利益に関する修正の方向性を測り、そのモメンタムを示す指標は昨年9月以来の高水準に達した。これは、今後数週間にアナリストの予想がさらに引き上げられる可能性が高いことを示しているとスーン氏は分析。
米金融当局が金利をより高くより長く維持する意向を示唆しているにもかかわらず、過去最高値を更新しようとしている市場にとって、心強い見通しだ。
グローバルト・インベストメンツのシニアポートフォリオマネジャー、トーマス・マーティン氏は「これは間違いなくポジティブな兆候だ。私は業績見通しが好転している企業に投資したいからだ」と述べた。同社はデータセンター・インフラ事業に関連する企業の株式を買っている。
原題:Wall Street Is Sending a Bullish Signal for S&P 500 Earnings(抜粋)
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Jess Menton