津波祭 11/5は「世界津波の日」和歌山県広川町 各地で津波防災をテーマとした訓練
テレビ和歌山
「世界津波の日」の今日、制定の由来となった「稲むらの火」の故事で知られる広川町では、津浪祭が行われました。 津浪祭は、今から170年前の安政元年・1854年の安政南海地震の津波で犠牲になった人々の霊を慰めるとともに、津波から多くの命を救った「稲むらの火」の故事で知られる濱口梧陵の偉業を、後世に語り継ごうと明治時代から行われているものです。
式典の前に、濱口梧陵が私財を投じて築いた広川堤防で、地元の町立耐久中学校と町立広小学校の児童生徒が堤防に土を盛り、感謝の気持ちを込めて手を合わせました。 式典では、廣八幡宮の宮司らによる神事に続いて、広川町の中平光則副町長が石碑に献花し、子供たちに向けて「広川町の子供である事を誇りに、津波災害の時はいち早く高台に避難し、みんなを導いてほしい」と呼びかけました。
一方、津波防災をテーマに全国各地で訓練が行われる中、県内でも南海トラフ巨大地震を想定した訓練が行われました。 広川町では、列車の走行中に巨大地震が発生したという想定で、訓練が行われました。この訓練は、JR西日本と広川町が毎年合同で行っているもので、およそ350人が参加しました。 JR紀勢線の八幡踏切近くで走行中の列車を緊急停車させ、乗客が乗務員の指導に従いながら、列車から飛び降りて、高台となっている廣八幡宮まで走って避難しました。 また、町立南広小学校では避難訓練が行われました。1年生の教室では、緊急地震速報の音が流れると児童らが机の下に隠れて身を守り、常に準備している防災頭巾を被って運動場まで走って避難しました。 今日の訓練では、地震発生の想定から2分以内で子供たち全員の避難と人数確認が完了しました。
一方、田辺市では、津波の浸水想定区域にある幼稚園や保育所など、7施設で訓練が行われました。 このうち、田辺市東陽の認定こども園・立正幼稚園では、0歳から5歳までの園児と職員らが訓練に臨みました。 園児は、机の下に潜って身の安全を確保した後、海抜20メートルほどの高台まで、二手に分かれて走って逃げました。 園には、地震発生から12分ほどで津波が来るとされ、園では、道を覚えてもらおうと、普段から高台に続く道で散歩を行っていて、今日は、8分半ほどで高台まで避難することができました。 中谷泰子園長は「子供たち全員の命を守るため、今日だけではなく今後も日々訓練を行っていきたい」と話していました。
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