関西出身の熊本大生 大阪駅前募金活動終了で県事務所へ報告
熊本県事務所へ活動終了を報告
関西出身の熊本大生
震度7を観測した熊本地震発生から28日で2週間がたったが、震度1以上の地震の回数は1000回を超え、現在も多くの人が避難所での生活を強いられている。そんな中、大阪市北区にある熊本県大阪事務所では、連日多くの人が訪れ、義援金箱に多くの善意が寄せられている。また、大阪駅前で募金活動を行っていた熊本大学の学生が同日午後でその活動を終え、同事務所へ募金を贈ると同時に活動終了のあいさつに訪れた。学生らは九州新幹線の再開などを受け「熊本に帰って自分たちのできることをやります」などと今後について話している。
同じ大学でも知らない関西人同士がSNSで集結
今回終了のあいさつに訪れたのは、この活動を立ち上げた同大学教育学部3年の堤英和さん(21)、医学部2年の多田佳弘さん(21)ら募金活動を行っていた学生らで、22日から活動を行っていた。 堤さんは「僕は14日の地震の後に宝塚市の実家へ戻りました。ただその後、本震もあって『何かできないか』と思いました」とこの活動の呼びかけを思いたち、SNSを使って「関西出身の熊大生」を集めた。「今でこそみんなで集まり協力しあって募金活動をしていましたが、学内ではまったく知らない存在でした」と多田さん。堤さんも「関西出身はごくわずかと思ってましたが、これだけいたとは知らなかった」と振り返る。 ただ、集まったはいいが拠点がなかった。ファミレスでの会議開催も考えたようだが、どこにしようか決まりにくかった。「そんな時に熊本大学の関西オフィスが大阪にある」と多田さんが思い出した。 実際に現役の学生がこの場所を使う機会はないが、事務局と相談して拠点に決まった。また、オフィスがある大阪駅前第3ビルには熊本県大阪事務所もあり、集めた善意は同事務所へ持っていくことも決めた。
残してきた仲間が気がかり「大阪でできることを」
堤さんらは、大阪駅前などを中心に募金活動を開始。「関西出身の熊本大学生です」というボードを掲げ、自らの学生証もそれに張り付け、道行くビジネスマンら一人ひとりに呼びかけた。 「がんばりや」と声をかけてくれる人もあったが「何をしているの」という声もあった。しかし、それにめげるわけにはいかなかった。堤さんらは、残してきた仲間が気がかりで「大阪でできることをやろう」とこの募金活動を始めた。 ただ、続けていくうちに「昨日まで熊本でボランティアをしていた」「これから熊本へ行きます」と声をかけてくれる人もいた。「毎日ごくろうさまと善意を寄せてくれる人もたくさん来てくれ励みになった」と堤さんらはこの数日間を振り返る。