中国、新車販売で米国を初めて抜く-日本勢は23年も首位堅持
(ブルームバーグ): 中国の自動車メーカーが2023年に初めて年間販売台数で米国ブランドを抜き、世界市場の勢力図が変化していることが示されている。
中国最大の電気自動車(EV)メーカー、比亜迪(BYD)をはじめとする中国ブランドは昨年1340万台の新車を販売し、フォードやシボレーといった米国ブランドの1190万台を上回った。調査会社ジャトー・ダイナミクスが13日発表した。
引き続き日本ブランドが世界で最も多くの自動車を販売し、2位は欧州ブランドとなった。
中国メーカーの市場シェアは中東とユーラシア、アフリカで急上昇し、上海汽車集団や吉利汽車は欧州やオーストラリアなどの成熟した市場にも進出している。
ジャトーのアナリスト、フェリペ・ムノス氏は「従来からある自動車メーカーの怠慢が、一貫して高い自動車価格をもたらし、消費者をより手頃な価格の中国メーカーに向かわせる結果となった」と指摘した。
EVの価格競争が利益を圧迫している自国市場を制した中国の自動車メーカーは、輸出に一段と目を向けるようになっている。
米テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は今年1月、貿易障壁がなければ、中国勢は他のほとんどのメーカーを「ほぼ破壊する」と警告した。
1万ドルの中国格安EVが欧州上陸へ、大手自動車メーカーは戦々恐々
欧州連合(EU)が今週、中国から輸入されるEVに追加関税を課す動きを見せたことで、BYDなどはすでに好調で貿易障壁が低い新興国市場でさらに事業を拡大することを考え得るとの見方をムノス氏は示した。
データフォースによると、欧州で昨年販売された完全EVのうち、中国ブランドは9%弱を占めた。
世界で昨年最も売れた車がテスラのスポーツタイプ多目的車(SUV)「モデルY」となったことで、米国勢は一矢を報いた。モデルYの販売台数は64%増の122万台と、トヨタ自動車のSUV「RAV4」を上回った。
日本ブランドは、ベストセラーモデル10車種のうち7車種を生産し、合計で約2360万台を販売した。