ファッションと響きあう『ルイーズ・ブルジョワ展:地獄から帰ってきたところ 言っとくけど、素晴らしかったわ』
森美術館で開催中の『ルイーズ・ブルジョワ展』。彫刻、インスタレーション、絵画など、彼女はさまざまな表現方法で自身の感情と対峙する。構築的なシルエットやレイヤリングなど、“包まれる”服とともにその唯一無二の世界と一体となる ルイーズ・ブルジョワ展の会場風景
《CLOUDS AND CAVERNS》1982-1989 METAL AND WOOD 274.3×553.7×182.9cm COLLECTION: THE EASTON FOUNDATION, NEW YORK COURTESY: KUNSTMUSEUM DEN HAAG, THE NETHERLANDS 《雲と洞窟》(1982~1989年)はブルジョワが好んで使ったブルーが印象的。彼女にとって自由や解放を意味し、安らぎを感じる色だった。フランスからアメリカに移住したときに見たニューヨークの空の色の心地よさが作品にも影響している。晩年の制作の場だった住居にも、この色が塗られていたという。波のような丸いフォルムは女性の体の起伏も表現している。肌になじむレザーのコンビネゾンやトレンチコートのレイヤリングが、やさしく体を包み込む コート¥804,100・コンビネゾン¥3,355,000(参考価格)・ネックウォーマー¥114,400・中に着たボディスーツ¥382,800/エルメス エルメスジャポン TEL.03-3569-3300
《CONSCIOUS AND UNCONSCIOUS》2008 FABRIC, RUBBER, THREAD, STAINLESS STEEL, WOOD, AND GLASS SCULPTURE AND STAND: 175.3×94×47cm VITRINE: 224.8×167.8×94cm COLLECTION: THE EASTON FOUNDATION, NEW YORK コントロールできない混沌とした無意識と、インテリジェンスで合理的である意識。二面性はブルジョワが常に抱えるトピックだった。《意識と無意識》(2008年)では、オブジェが積み重なり層になっている右側が意識、左側の糸巻きは無意識をつかさどっているという。ガラスケースに収められた二つのモチーフの間で、鑑賞する私たちの心も揺れ動く ニットカーディガン¥2,035,000・チョーカー¥412,500・リボン(参考色)¥71,500/グッチ グッチ クライアントサービス TEL.0120-99-2177