〈キン肉マン〉「俺が最強の矛を守る盾」ハートは熱く涙もろい…サンシャインがこだわり続けた二人のオトコ「悪魔にも友情はあるんだ」
無機質の砂なのに非常に超人臭い超人味のある漢
血が滲むほどジェロニモの肩を強くつかんだサンシャインは、こう続けたという。 「だが今日は違う! 今日のお前からはあの日と同じ気迫を感じる。だから今こそ見せてやってほしい、ここでこの場で! オレとおそらくテリーマンだけが見抜いていた…、本当のお前の強さを」 他のメンバーたちも、サンシャインの熱弁に心を打たれ、納得してジェロニモを一番手に送り出す。奇しくもその相手は、かつて自分にスーパーマン・ロードの試練を課し、人間から超人に引き上げた元「進化の神」だった。下天後の超神名はジ・エクスキューショナー。ジェロニモはこの闘いに勝利し、サンシャイン戦以来2度目、超人としては初のジャイアントキリングを果たすのである。 冒頭の悪魔超人関係者が称える。 「あの場面でジェロニモを推すのは、サンシャインが図体だけではなく、器も大きい証ですよ。ジェロニモの勝利によって、彼の自尊心はようやく救われたと思います。無機質な砂のボディでありながら、ハートは熱く、ウェットで涙もろい性格でもあるんです。体の奥には、ちゃんと肋骨も眼球も存在している。サンシャインは非常に超人臭い、超人味のある漢なんですよ」 サンシャインは「悪魔にだって友情はあるんだ!」「なんだそのオモシロ起源説は?」など、名言メーカーとしても知られる。バベルの塔の戦いでは、再び盟友アシュラマンとタッグを結成。「オレはアシュラマンという最強の鉾を守る盾だ!」など、悪魔の友情に溢れた名台詞を残すと、ザ・ナチュラル(元安寧の神)を道連れに、両者ノックアウトでリングに散る砂となった。 情に厚く、悪魔超人道一筋。勝利の歓びも、敗北の苦みも、巨体の砂に染み入っている。この先いつか、丹下段平のように哀愁漂う名トレーナーとして、後進悪魔を育てる存在になっていくのかもしれない。 取材・文/落花豆男 集英社オンライン編集部ニュース班
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