北村匠海が考える、『クレヨンしんちゃん』が愛される理由 “家族”のテーマが持つ普遍性
北村匠海が「今年の夏に挑戦してみたいこと」とは?
――『クレヨンしんちゃん』が長い間愛されている理由はなんだと思いますか? 北村:野原家という家族のエネルギー、その愛情の深さにずっと魅了される人が多いのではないかなと思っています。今回は犬のシロにもフォーカスされていますが、『クレヨンしんちゃん』は“家族”というテーマを変わらずに描いています。『オトナ帝国の逆襲』も印象的な作品です。だからこそ、子供の時はしんちゃん目線で純粋に楽しんでいたものが、大人になってからは、ひろしやみさえといった大人の目線で観ることができるのも魅力だと思っています。 ――そんな『映画クレヨンしんちゃん』シリーズで特に印象に残っている作品は? 北村:映画だと『嵐を呼ぶ 栄光のヤキニクロード』が大好きです。最後のシーンで骨付きカルビを野原家が食べるシーンがあるのですが、もうそれが本当に美味しそうで(笑)。僕は、アニメにおいて食べ物のシーンに惹かれるんです。『クレヨンしんちゃん』の食事シーンはすごく魅力的で、『ヤキニクロード』を観た後に家族で骨付きカルビを食べに行った懐かしい思い出があります。 ――本作も子供だけでなく、大人も楽しめる仕掛けがたくさんありました。 北村:確かに(笑)。この作品は、野原家以外にオドロキー家の話でもあるのが面白いんです。ビリーとその父親との話や、親から子供への言葉が丁寧に描かれていて、僕自身も考えさせられる部分が多かったです。 ――そんな本作の楽しみ方をビリー目線で教えてください。 北村:作画が手書きなのもあり、ビリー目線だとやはり恐竜の迫力が見どころになっていると思います。あとは、街の描き込みも。スクランブル交差点やビルがすごくリアルに描かれていて驚きました。ナナとシロの友情の部分も、言葉がないからこその感動があり、人だと言葉にできちゃうけれど、シロとかナナは言葉というものがない分、表情や行動で表現している部分が多くて思わず涙が込み上げてきました。 ――また『映画クレヨンしんちゃん』でゲスト声優を務めるとしたら、次はどういった役に挑戦してみたいですか? 北村:『映画クレヨンしんちゃん』には、毎回魅力的な敵が登場しているので、次は敵チームとして出演してみたいです。ただの悪役ではなく、キャラクターのバックグラウンドも必ず描かれていて、単純に善悪で決めつけていないのが『映画クレヨンしんちゃん』の良さだと思っています。 ――最後に、“ひと夏の成長”を描いた本作にちなみ「北村さんが今年の夏に挑戦してみたいこと」を教えてください。 北村:今年の夏はスポーツをやりたいな思っています。もともとスポーツは好きなんですけど、大人になるとなかなか自主的に運動する機会がなくて……。それこそDISH//のライブは、たくさん動いて汗を流していますが、ちゃんとしたスポーツがやりたいんです(笑)。
佐藤アーシャマリア