能登半島地震 現地取材でわかった「ボランティアを受け入れられない深刻な事情」
被災証明をするための人手が不足しており、ボランティアを受け入れられず
飯田)5分くらい前にまず震度5クラスの地震がありましたが、珠洲市のなかには「それで表に出て助かった」と言う人もいらっしゃいました。先ほどのご家族の場合は物置にみんなで行き、そのおかげで、いわば本震のようなものがあとから「ドン」ときたとき、潰れた家の下敷きにならずに助かったわけです。いろいろな被害があるなかでも、書店の店主である八木さんのように、次に向けて「イベントをやろう」などと考えている方もいらっしゃいます。現場の特に若い人たちは、「前を向こう」という人もいらっしゃいました。 ジャーナリスト・須田慎一郎)先ほどリポートのなかで「ガソリンが不足している」と言っていましたが、ボランティアについては現在どうなっているのでしょうか? 飯田)ボランティアを受け入れるには、行政側がニーズを把握した上で「ここに行ってください」という流れを1つひとつつくらないといけないのですが、まだまだその部分の人手が足りないのです。 須田)なるほど。 飯田)かつ、ボランティアの主な作業は瓦礫の撤去や、被災した家から散乱したものなどを運び出して直すようなものが多いのですが、その作業をするためには被災証明を取らなければなりません。しかし、被災証明を行うための人手が不足しており、なかに入って「安全かどうか」というチェックができないのです。それをやらないと、ボランティアの方を受け入れても、危険だから派遣することができない。一部の限られた地域では募集しているところもありますが、例えば珠洲や輪島などは、まだそこまでいっていない状況のようです。 須田)被災証明が取れないために。 飯田)また、雪の影響で作業がストップしているところもあります。行政の人手が足りず、国も公務員の派遣を行っていますが、そろそろそういうフェーズに変わってくるかも知れないなと思います。