能登半島地震 現地取材でわかった「ボランティアを受け入れられない深刻な事情」
懐中電灯を物置に取りに行って奇跡的に助かった書店の家族
飯田)近隣を取材すると、やはり民家の1階部分が潰れてしまったような家もたくさんありました。そんななかで、商店街にある「いろは書店」店主の八木さんという方にインタビューしました。その模様は、ニッポン放送『サンドウィッチマン ザ・ラジオショー サタデー』という番組のなかでも行いましたが、そのレポートの一部です。 ―– 飯田)「いろは書店」さんは1階が店舗、2階が住居でしたが、1階は完全に潰れており、2階が下に降りてきてしまっている感じです。 サンドウィッチマン・伊達みきお)となると、いまは避難所暮らしということですか? 「いろは書店」店主・八木)そうですね。皆さんにお世話になっています。 飯田)お店の目の前にいるのですが、完全に潰れています。地震のときは皆さん2階にいたのですか? 八木)私だけ2階にいました。 飯田)ご家族は? 八木)家族は全員下にいました。 飯田)間は50センチくらいしか空いていないのですよ。 八木)たまたま奥に物置があって、そこに親父が懐中電灯を取りに行ったのですが、家族みんなが「そっちに行ってはダメだ」と言って物置まで追いかけたのです。そうしたら家が崩れてしまった。崩れたのですが、その物置だけ崩れなかったのです。 伊達)奇跡ではないですか。 八木)だからそっちに行ってよかったのです。私だけ2階から窓を割って飛び降りて出たのですが、もう2階が1階になっていたので、家族ともすぐに合流できました。もちろん被災しており、いまでも大変な人たちがたくさんいます。しかし、我々も踏ん張らなくてはいけない、気を緩めるわけにはいかないと思っています。「目はしっかり前を向かなくては」と思っています。お互いに。 飯田)こうやって前向きに「次の目標を持ってやっていこう」と思っている人たちがたくさんいらっしゃるということは、「日本って本当にこういう国なのだな」と思います。 八木)前を向いて進んでいきます。皆さん本当にご協力をお願いいたします。 伊達)わかりました。