世界的ベストセラー『限りある時間の使い方』著者が勧める“突き抜けた”考え方
時間管理の指南書をいろいろ読んで試してみたが、結局上手く行かなかったという経験はあるだろうか。そういう人はどうすればいいのか? 世界的ベストセラー『限りある時間の使い方』の著者オリバー・バークマンに、英紙「タイムズ」が聞く。 【動画】新著のエッセンスを語るオリバー・バークマン もしあなたが私みたいに、客を家に招く前に慌てて掃除をはじめるタイプの人であれば、オリバー・バークマンからメッセージがある。 「自分に問いかけてみてください。いったいどうしたわけで、訪問客に見せ物を披露しようとしているのかと──。演じるのが大好きな人もいて、それはそれでいいんです。でも、あなたの実際の暮らしぶりに人を招き入れるとき立ち現れる、リアルなつながりというものがあると思います。 友人宅が散らかっているとしても、私は気を悪くしないどころか、光栄にさえ思います。私がその実生活を見るのをよしとしてくれているわけですから。自分の欠点を隠すよりも認めるほうが、はるかに力強いのです」 これは、バークマンが「非完璧主義」と呼ぶことのほんの一例だ。バークマンは、英国人の作家で、ベストセラーとなった時間管理の指南書『限りある時間の使い方』の著者だ。 非完璧主義とは、死にゆく定めにある人間として、われわれが自分の時間を使ってできることは限られているので、できないことは認め、本当に大事なことに集中すべきという考え方だ。 バークマンの新著『人間のための瞑想録』(未邦訳)の出だしとして、それがやや敗北主義的な立場に聞こえるなら、考え直されたい。 英国北東部ノースヨークにある自宅からZoomで取材に応えるバークマンは言う。 「この非常に特殊な敗北こそが、じっさいにはとても力を与えてくれます。不可能なことをしようとするのを諦めるものだからです。 たしかにそれは、すべてに打ち勝ちはしないことを受け入れる敗北ですが、あなたを現実に引き戻し、実際に物事をしはじめるようにしてくれます。さもなければすべてのことをいまではないと後回しにし続け、そして死ぬのです」
Claire Cohen