40代の年収の中央値が「450万円」って本当? 大手企業勤務の人くらいしかそんなにもらっている話を聞かないのですが、「350万円」の間違いでは?
年収の話題で「平均値」と「中央値」という言葉を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか? どちらも、データの「中心」を表している数値ですが、計算方法が異なり、場合によっては平均値と中央値に大きな開きが出ることもあります。「その数値、本当に合っているの? 」と疑問に思うような数字を耳にした経験のある方がいらっしゃるかもしれません。 そこで今回は、平均値と中央値の違いや使い分け方、具体的に40代の年収の中央値450万円は本当なのかを検証します。 ▼勤続20年でも年収は「280万円」貯蓄も「30万円」しかないのは少なすぎ!? 転職したほうが良いの?
年収の中央値とは? 平均値とどう違うのか?
年収の話題になるとよく耳にする言葉が「平均値」や「中央値」です。同じ情報を基にしていても、平均値と中央値が異なることもあり、違いを正しく分かっていなければ、情報を誤って理解してしまうおそれもあります。 まずは、それぞれの違いや計算方法、使い分けについて確認しましょう。 ■平均値とは 平均値とは、データの数値をすべて足したうえで、データの件数で割って出した数値です。 例えば、年収100万円・200万円・400万円・600万円・1000万円の人が一人ずついた場合、計算方法は(100万+200万+400万+600万+1000万)÷5で、年収の平均値は460万円となります。 では、年収100万円・200万円・400万円・600万円・1億円の人が一人ずついた場合はどうなるでしょうか?(100万+200万+400万+600万+1億)÷5で、平均値は2260万円となってしまいます。しかしこの場合、平均値を超えているのは、年収1億円の人一人だけです。 平均値はデータ内の全数値を合計しているため、すべての数値を考慮した値となるメリットがあります。しかし、極端にずれた数値(外れ値)があると、その影響を強く受けてしまうデメリットもあることを理解しておく必要があるでしょう。 ■中央値とは 中央値とは、調査対象全体のちょうど中央にくる数値のことをいいます。 年収100万円・200万円・400万円・600万円・1000万円の人が一人ずついた場合、中央の400万円が中央値です。同じく年収100万円・200万円・400万円・600万円・1億円の人が一人ずついた場合の中央値も、400万円となります。 このように中央値は、平均値と異なり外れ値の影響を受けにくいメリットがあります。ただし、データの数字一つひとつを見ているわけではないため、データの推移を見る際などは不向きです。