「読者も凍りついた…」『BLEACH』の名言クリエイター「藍染惣右介」なぜ彼の言葉は刺さるのか?
2001年から『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載された、久保帯人氏による『BLEACH』。本作に登場する藍染惣右介は「尸魂界篇」「破面篇」のラスボスとして、主人公・黒崎一護に立ちはだかり続けた。現在、第3クールに突入した放送中のアニメ「千年血戦篇」にも再登場し、圧倒的な存在感を放っている。 ■【画像】「目がヤバい…」ラスボス感半端ない『BLEACH』藍染の姿■ そんな藍染は、数多くの印象深いセリフを残した“名言クリエイター”としても知られている。そこで今回は、藍染の言葉がなぜ人々の心に深く刺さるのか、その理由を考察していきたい。
■絶対的強者・藍染だからこそ説得力がある
藍染は作中トップクラスの実力者であり、霊圧も群を抜いている。実力が伴わない者が使えばただの虚勢も、彼が語れば説得力が違う。 たとえば、コミックス20巻「尸魂界篇」。護廷十三隊を裏切り、さらには雛森桃を傷つけたことに「てめえを殺す」と言って激怒する日番谷冬獅郎。 それに対して藍染は、彼のなかでももっとも有名と言ってもいいかもしれないこのセリフ「あまり強い言葉を遣うなよ 弱く見えるぞ」と言って煽る。実際このときの藍染と日番谷の実力差は大きく、一太刀で日番谷に重傷を負わせていた。圧倒的強者である藍染が語ると説得力が伴う。 さらに、コミックス47巻「破面篇」。断界にある拘突(侵入者を排除する煙でできた気流)に、市丸ギンは「あれは霊圧の側やのうて理の側の存在やないですか 霊圧でどうこうできるモンちゃいますよ」と言って逃げることを提案する。 しかし次の瞬間、藍染は圧倒的な霊圧で拘突を消滅させてしまう。このあとに言った「理とは 理に縋(すが)らねば生きて行けぬ者の為にあるのだ」も、彼がすでに理をも必要としない存在になったことを表していて、常人では使えない藍染だからこその言葉であった。
■護廷十三隊、さらには読者も欺き驚かせる
作中、藍染は主人公の一護や護廷十三隊を欺き続け、そしてその言葉は物語の登場人物に限らず読者をも驚かせた。 コミックス37巻、本編の110年前、藍染が五番隊の副隊長を務めていた頃である「破面篇(過去篇)」。平子真子は、藍染を警戒し自身の近くに置いて監視していた。 しかし、その平子の警戒心をも利用していた藍染。クライマックスでは、自身の策により虚化する平子に対し「目に見える裏切りなど知れている 本当に恐ろしいのは 目に見えぬ裏切りですよ」と言い放ち、絶望させる。 さらにコミックス45巻。空座町に侵攻する藍染に護廷十三隊、さらには仮面の軍勢が総力を挙げて抗う。そして、ようやく彼を仕留めたかのように思えたが、その姿もまた藍染の斬魄刀・鏡花水月の能力・完全催眠による幻だった。 そんな状況に「一体いつから…鏡花水月を遣うてたかって訊いてんねん!!!」と動揺を隠せない平子に対して、「ならばこちらも訊こう 一体いつから 鏡花水月を遣っていないと錯覚していた?」と言う藍染。その言葉は、読者を含め聞く者すべてを凍り付かせる言葉だった。