大阪・最大遮断時間57分「開かずの踏切」廃止へ 建設から78年の駅舎も歴史に幕
大阪・最大遮断時間57分「開かずの踏切」廃止へ 建設から78年の駅舎も歴史に幕
JR東海道本線(JR京都線)の東淀川駅(大阪市淀川区)近くに設置され、最大遮断時間が57分というJR西日本管内で最も長いとされる「開かずの踏切」が11日未明に廃止される。そして、これまで進められていた橋上駅舎の建設が完成し、11日から営業を開始。新駅舎はこの踏切の代わりとなる「自由通路」と一体に建設された。同時に1940年の開業時から親しまれた同駅の現駅舎は役目を終える。 【図】東淀川駅付近工事の事業計画図(JR西日本提供)
南宮原踏切は計8本の線路を道路が横切る
「開かずの踏切」は、東淀川駅の南側にある「南宮原踏切」、北側にある「北宮原第1踏切」「北宮原第2踏切」の3か所。このうち南宮原踏切はJR東海道本線と貨物線の、合わせて8本の線路を道路が横切っている。 列車の本数が多いことに加え新大阪駅から近いため、特急「サンダーバード」や新快速も速度を落として通過することから、1日の踏切遮断時間は16.3時間にも達する。ラッシュ時の遮断時間は最大で1時間当たり57分と、JR西日本管内では最も長い。 また、踏切道は46.8メートルと長いため、健康な大人でも渡り終えるのに30秒以上かかってしまう。すぐ南側には歩行者や自転車が利用できる歩道橋もあるが、バリアフリーには対応していないため、これまで交通弱者は踏切を利用せざるを得なかった。
わずかなスペースを活用し退避スペースも
一方、駅北側にある北宮原第1踏切と同第2踏切は、実質的に一体の踏切だが、東海道本線の間にあるわずかなスペースを活用し、歩行者や自転車が退避できるようにしている。このうち第1踏切の遮断時間は1時間当たり最大56分で、南宮原踏切に次いでJR西日本管内で2番目に長いという状況だ。
24時間体制で専属の社員を配置
この3踏切には24時間体制で専属の社員が配置され、人や車などが取り残された場合は列車を緊急停止させられるようになっているが、過去には事故も起こっていることから対策が求められていた。 加えて、来年3月に放出~新大阪間を走るおおさか東線が開業した後は、ここを通る列車がさらに増えるため、整備が急がれていた。