闇バイトは犯罪 県警が国際大で防犯講習会 「ホワイト案件」「簡単収入」通話記録を公開
全国で闇バイトの応募者の関与が疑われる強盗や詐欺事件が相次ぐ中、富山南署は15日、富山国際大で防犯講習会を開き、学生に安易に応募しないよう注意を呼び掛けた。警察官が応募者を装って詐欺グループの一員とやり取りした電話の音声を流し、「捕まるのはまれ」などと言って犯罪に誘い込む手口を紹介。担当者は「闇バイトは犯罪。取り返しのつかないことになる」と訴えた。 現代社会学部1年の約50人が参加した。県警が闇バイトの防犯講習を実施するのは初めてで、アルバイトや1人暮らしなど新生活をスタートさせた大学生に危険性を伝えるため企画した。 富山南署生活安全課の横山和人係長が講師を務め、SNS(交流サイト)を通して「ホワイト案件」「高額バイト」「即日現金」「簡単高収入」といったうたい文句で求人する手口を紹介。個人情報を聞き出そうとしたり、秘匿性の高い通信アプリでやり取りすることを求めたりするのは闇バイトの典型的な手口だと説明した。 詐欺グループの一員との電話音声では、仕事内容の違法性について「ホワイトグレー」と表現したり、応募者の名前、生年月日、干支を丁寧な口調で聞き出そうとしたりする生々しいやりとりを紹介した。 講習後、永渕拓未さん(18)は「闇バイトは身近にあるものだと感じた。絶対に加担してはいけないと思った」と話した。 ●県内でも多数発生 県内でも闇バイトの応募者が関与した事件は多数発生しており、10月には富山市の女(36)が特殊詐欺の被害に遭った小矢部市の90代女性の通帳を使い、現金50万円を引き出したとして窃盗容疑で逮捕された。 富山南署の西野拓郎生活安全課長は「闇バイトには絶対に関わらない。巻き込まれたとしても警察が守るので相談してほしい」と呼び掛けた。