TradFiが殺到:ゴールドマンのデジタル資産責任者、トークン化の可能性を語る【Consensus 2024】
150年の歴史を持つ投資銀行ゴールドマン・サックスは、暗号資産(仮想通貨)への取り組みを深めていると、同行デジタル資産部門のグローバル責任者であるマシュー・マクダーモット(Mathew McDermott)氏は語った。 マクダーモット氏はゴールドマン・サックスに19年勤務するベテランで、2021年にデジタル資産デスクの設立に携わり、それ以来、現金決済デリバティブ、オプション、暗号資産先物取引の流動性を含む一連の商品やサービスの導入に尽力してきた。 コイン・メトリックス(Coin Metrics)やHQLAxの取締役を務め、ワン・リバー・デジタル(One River Digital)やエルウッド・テクノロジーズ(Elwood Technologies)などの企業にアドバイスを行うマクダーモット氏は、米CoinDesk主催のカンファレンス「Consensus 2024」で、イーサリアム(ETH)に次ぐ暗号資産ベースのETFの実現可能性、ゴールドマン・サックスのような企業にとって最大の機会が残されているエリアであるトークン化の人気の高まりなど、多くのトピックについて語った。
ETFとその先
「ビットコインETFは明らかに、驚くべき成功を収めている」とマクダーモット氏は壇上で述べた。ビットコインETFは、広く暗号資産に対する個人投資家の関心を再熱させただけでなく、新しいタイプの金融機関が新しいタイプの取引を行うようになった。これは業界にとって「大きな心理的転換点」となった。 これは、米証券取引委員会(SEC)が暗号資産ベースの商品を幅広く承認することにつながるのだろうか? SECは最近、イーサリアム現物ETFの上場を希望するシカゴ・オプション取引所、NYSE Arca、ナスダックなどの証券取引所からの申請を承認したが、アーク・インベスト(Ark Invest)、ビットワイズ(Bitwise)、ブラックロック(BlackRock)、フィデリティ(Fidelity)、グレイスケール(Grayscale)などのETF発行希望者からの新規証券登録申請「S-1」の承認にはさらに数カ月かかるかもしれない。 「これは、イーサリアムが完全に取引可能なETFとして承認されることを望む自然な進展」とマクダーモット氏。このことは、ソラナ(SOL)のような「他のすべてのトークンに門戸を開く」のだろうか。そうかもしれないが、2大暗号資産の確立された優位性のために、そうならないかもしれない。 「私の見るところによると、我々の顧客は通常、ビットコインとイーサリアムだけに注目している。これらは、CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)に取引可能な先物がある。そのため、(イーサリアムETFについては)ポジティブな見方ができる。他のトークンに関しても、ポジティブな見方はできるが、まだ時期尚早だろう」とマクダーモット氏は指摘した。