大規模災害では避難所が不足!大掃除のついでに進めたい「自宅の避難所化」3つのポイント
■家の中を安全な環境にしておく 1995年阪神・淡路大震災では、判明している死因の約7割が家屋の倒壊や家具の転倒による窒息・圧迫死でした。負傷者のケガの原因も、家具の転倒が多くなっていました。このように、大災害が起こったとき、対策が不十分な住まいは「凶器」になり得ます。室内を安全な空間にすることは、命を守る基本なのです。 まずするべきは、室内の物の配置を安全なものにすること、そして窓ガラスの飛散を防ぐことです。ベッドに家具が倒れてくる配置がダメなのはもちろん、家具が動いてドアをふさぎ、外に出られなくなる配置もNG。窓ガラスは、飛散防止フィルムを貼るなど、割れても室内に散乱させない対策が必要です。 ■ライフラインが止まったときの準備をしておく 過去の災害では、ライフラインのなかで水道の復旧に最も時間がかかっています。その原因として、水源の状態の回復に時間がかかること、水道管の被害確認と修繕に回る人員が不足することなどが挙げられます。東日本大震災では、津波で水源に海水が流れこみ、塩水になったため元に戻すのに時間がかかった自治体が多くありました。また、公共の水道管から各家に引きこむルートの水道管が壊れている場合、個人で修理する必要がありますが、破損に気がつかない場合や、修理業者の予約待ちですぐに直せない場合などがあり、復旧が遅れることも多くなっています。 農林水産省は、飲料用と調理用だけで1人あたり1日リットルの水が必要だとしています。生活用水もできる限り準備したいところです。手指や体の衛生、トイレ(水が流せる場合)、洗濯(洗濯機以外)などで、1人あたり1日10~20リットルが必要だとされていますが、エコキュートの貯留水、お風呂にためた水、雨水をためるタンクの水も、生活用水としてなら使えます。 カセットコンロとカセットボンベ、ヘッドライトやLEDランタンなどの照明も必需品。テントやシートなどのアウトドア用品も、あれば便利に使えるでしょう。新聞紙でお皿やスリッパを作ったり、ペットボトルでランタンをつくったり、ゴミ袋でポンチョをつくったりする方法も、一度試しておくといざというときに助けになります。