【ボクシング】井上尚弥が無傷でドヘニーに7回TKO勝利、武居由樹は比嘉大吾に初防衛成功、平岡アンディは9回TKO勝利|9.3 Lemino BOXING
9月3日(火)、有明アリーナで『NTTドコモ Presents Lemino BOXING ダブル世界タイトルマッチ 井上尚弥 vs TJ・ドヘニー & 武居由樹 vs 比嘉大吾』が開催され、井上尚弥がドヘニーに7回TKOで2度目の4団体王座防衛に成功。セミではWBO世界バンタム級王者・武居由樹が比嘉大吾に判定勝利で日本人同士の乱打戦を制した。平岡アンディは暫定王者バロッソから3度のダウンを奪い、9回TKO勝利でWBA世界スーパーライト級世界王座挑戦権を手に入れた。 【ハイライト】井上尚弥がドヘニーに7回TKOで2度目の4団体王座防衛に成功!平岡アンディは暫定王者バロッソから3度のダウンを奪い、TKO勝利! スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥が『過去イチ』の練習量を捧げて臨んだ注目のメインイベントでは、井上がWBO同級2位のTJ・ドヘニーを圧倒的なパフォーマンスで退け、無傷のままTKO勝利を収めた。 試合の決め手となった7回、開始ゴングが鳴るや否や井上が猛烈な圧力をかけ、強烈なパンチの連打でドヘニーを追い詰めると、ドヘニーがスタンディング状態のまま腰の痛みを訴える素振りを見せ、レフェリーが試合を止めるという形で決着がついた。 試合後の会見を欠席したドヘニーだが、プロモーターとトレーナーが腰の症状について代弁し、6回の時点で神経の痛みが出ていたことを明かした。 一方、顔に傷ひとつない姿で会見に登場した井上は、あえて慎重な出だしを選んだものの、ドヘニーの事実上の戦意消失ともとれる途中離脱で見せ場を作れなかったと振り返った。また、あえて身体を大きくした面について手応えとしては「重かった」と話し、ディフェンシブな相手に攻め方を試行錯誤したものの、3回4回でポイントを失うなど、「お客さんには申し訳ないが」あまり楽しめなかったと率直に語った。 12月とされる次戦については、大橋秀行会長、トップランク社ボブ・アラム会長と話し合いたいとした。 セミファイナルでは、武居由樹が比嘉大吾との激闘を制し、プロボクシングキャリア初のダウンを経験しながらも、3-0の判定でWBO世界バンタム級王座初防衛に成功。日本人同士の激しい打ち合いに有明アリーナが度々騒然とする試合展開となった。 終盤、武居は11回にスリップにも見える状況でダウンを奪われるも、冷静に立て直し、最後にペースを取り戻し防衛に成功した。試合後、比嘉は引退を示唆する発言。両者の顔には激闘の痕が痛々しく残っている。比嘉は試合後の会見でも「やり切った」と話し、世界王座ではない形で周囲に恩返しがしたいと語った。 一方、平岡アンディはWBA世界スーパーライト級の正規王者ホセ・バレンズエラとの挑戦権をかけた戦いで、暫定王者イスマエル・バロッソと激突。平岡は3度のダウンを奪い、9回TKO勝利を果たしている。層の厚いスーパーライト級で平岡は世界挑戦権を手にした。 さらに、世界ランカーであり、東洋太平洋およびWBOアジアパシフィック・ウエルター級王者の佐々木尽もカミル・バラを相手に見事な7回TKO勝利を飾った。これまで日本人でウエルター級世界王者は存在しておらず、佐々木はその期待を一身に背負ったスター候補として、今後の活躍が大いに期待される。
神宮泰暁 Yasuaki Shingu、井熊知也 Tomoya Ikuma