【MotoGP】ヤマハ、MotoGP現最強のドゥカティから2名のスタッフを引き抜き。苦境脱出への取り組み続く
MotoGPで苦戦中のヤマハは、2024年シーズンに向けて体制増強を図っており、ライバルメーカーからスタッフの引き抜きを行なっている。 【ギャラリー】ホンダ陣営から”引き抜いた”アレックス・リンスが来季から加入(バレンシアテストの姿) ヤマハは2021年にファビオ・クアルタラロとともにチャンピオンに輝いたが、2023年は大失速してしまった。クアルタラロはシーズン中未勝利となり、最高成績は3位。ランキングでは10位(2022年は2位)にまで急落した。 ヤマハと、同じように苦戦するホンダを救済するため、MotoGPは新しいコンセッション(優遇措置)制度を策定。2024年からヤマハとホンダはライバルメーカーと比べて開発制限が緩められることになった。 クアルタラロからは2025年以降も残留するかどうかを判断するためにあまり時間はないとヤマハに発破をかけている状況にあるが、当のヤマハとしても改革を急いでいるようだ。ライバルチーム、それも2023年もレースを支配していたドゥカティからスタッフを2人引き抜いたことにそれが現れている。 ひとりはマルコ・ニコトラ。彼はCFD(数値流体力学)シミュレーションの専門家で、以前はトロロッソF1で5年間働き、2017年にドゥカティへ加入し空力部門に所属していた人物だ。 彼は既に11月末のバレンシアテストの時点で、ヤマハの青いシャツを着てピットレーンにいる姿が目撃されている。 もうひとりはマッシモ・バルトリーニだ。バルトリーニはドゥカティ躍進の立役者とされるジジ・ダッリーニャ(ゼネラルマネージャー)の信頼が厚いエンジニアだったが、ヤマハからのテクニカルディレクター就任のオファーを彼が受諾したようだ。 なおバルトリーニがヤマハで現プロジェクトリーダーの関和俊と共に働くのか、それとも関のポジションを置き換える形になるのかは、現時点では不明だ。
Gerald Dirnbeck