【フィギュア】37歳・織田信成 笑顔と涙のラストダンス「もう体が限界。あと20歳若返ったらいいのに」
◇フィギュアスケート全日本選手権第2日(2024年12月21日 大阪府門真市・東和薬品ラクタブドーム) 【写真】<全日本フィギュア第2日>男子フリー、演技をする織田信成(撮影・小海途 良幹) フィギュアスケートの世界選手権(来年3月、米ボストン)代表選考会を兼ねる全日本選手権第2日が21日、大阪府門真市の東和薬品ラクタブドームで行われ、男子フリーでSP5位の織田信成(37=大阪スケート倶楽部)は150.15点をマークし、合計234.68点で4位。惜しくも表彰台を逃した。 冒頭のジャンプで転倒したが、後半の3回転半は着氷。ジャンプでバランスを崩す場面も見られたが、最後まで優雅に踊り切った。観客はスタンディングオベーションでベテランをねぎらった。最後は観客席に向かって、ゆっくりと丁寧にお辞儀した。 キスアンドクライでは涙を見せず、次に滑走する三浦佳生に声援を送っていた。しかしその後は「感謝の気持ちでいっぱい。平坦な道ではなかったからこそ坂を駆け上がる力をつけられた。豊かなスケート人生でした」と涙ながらに現役生活を振り返った。 一度現役復帰をしているだけに、本当にこれが最後かどうかを問われると「最後って言ってるじゃないですか(笑い)。本当にもう体が限界なので。ちょっとゆっくり休みたいなと。ただ、やっぱり今回の全日本のような緊張感を味わうと…。逃げたくなるけど、この場で戦いたいなという気持ちが凄くあって。あと20歳若返ったらいいのになとかは思ったりしたけど。でも、いさぎよく引退ということにしたいと思います」と話した。 08年の全日本選手権で初優勝。10年バンクーバー五輪では7位。13年の全日本後に現役を退いたが、22年11月、9年ぶりに現役復帰を果たした。しかし、「膝、関節的に限界」という理由から今季限りでの引退を決断した。 SPでは冒頭で4回転-3回転の連続トーループを決めるなど、すべてのジャンプを成功。「マツケンサンバⅡ」で観客を盛り上げ、キスアンドクライではお決まりの大号泣で笑いを誘った37歳。11年ぶりの全日本。最高の舞台を笑顔と涙で締めくくった。