阪神掛布2軍監督が選ぶ2016年プロ野球10大ニュース
(5)コリジョンルール導入 「ホームベース上の野球を変えるルール導入だった。1、2軍共に対応を迫られ、コリジョン用のスライディング技術を導入して走者を三塁に置いたシーンなどでの戦略も変わった。阪神の抗議が発端となってコリジョンルールの解釈がシーズン途中に変更されたが、以降はルール適用を巡ってのトラブルも減ったよう見えた」 (6)中日・谷繁監督の途中休養(8月9日に電撃的に最下位低迷の責任を取らされた) 「突然の発表にショックを受けると同時に中日の現場とフロントの間にある溝のようなものを感じざるを得なかった。暗黒時代と呼ばれた昔の阪神にも似たような状況があったのでよくわかるが、チームがひとつの方向を向かずに谷繁監督も一人孤立してしまったのだろう。現場のスタッフ、フロントも含めて全員がひとつの方向を向かなければチームは勝てない。反面教師として心に残った事件だった」 (7)ヤクルト山田哲人の2年連続トリプルスリー達成 「ヤクルトが優勝から一転、Bクラスに沈んだため大きな話題とはならなかったが、球史に残る素晴らしい記録。昨年2人同時にトリプルスリーを成し遂げたソフトバンクの柳田とは対照的なシーズンになった。開幕時は、18試合連続四球の記録を作るなどした柳田が、故障などで数字を伸ばせなかったが、山田はフルに出場し続け、相手チームの対策をも上回る研究の軌跡も見えた。非常に評価されるべき記録だ」 (8)横浜DeNA筒香2冠の覚醒 「久しぶりに本物と呼べる日本人の4番打者が誕生した。44本、110打点の2冠に、打率・323の数字に加え、4番として、ここ一番で勝敗にかかわるホームランを放ちチームをクライマックスシリーズ進出に導いた。私も2軍監督として大きな命題としているのが、日本人の長距離打者の育成だが、エースと4番だけは簡単には作れない。筒香には、入団当時から、そのポテンシャルに目を奪われていたが、その才能を潰すことなく伸ばして覚醒させた本人の努力と、それをサポートしてきたチームの環境は特筆すべきものだろう」 (9)巨人のオフの大型補強 「オフの主役は巨人だった。複数のFA選手を獲得した、そのやり方に賛否はあるのかもしれないが、今回の補強はプラスに転じるだろう。今年の戦力で2位をキープした巨人が来季の阪神にとって宿敵になるのは間違いなく、激しいペナントレースになると思う」