今後3年で集中対策を 保育人材確保へ提言 奄美市官民円卓会議
鹿児島県奄美市の保育人材確保に向けた官民連携円卓会議(吉村喜美代座長、委員13人)は9日、同市と市内保育施設に対する提言書を安田壮平市長らに提出した。2025~27年度までの3年間を集中対策期間と位置付け、必要な人材確保や保育施設の魅力向上へ積極的な取り組みを求めている。 同会議は昨年8月の発足以降、計5回会議を開き、不足している保育人材確保の方策などを議論してきた。保育施設や障がい児通所支援事業所、奄美看護福祉専門学校の生徒などから幅広く意見を聞き、人材の新規獲得だけでなく、保育士が働きやすい環境づくりに関しても検討を進めた。 提言では「保育施設の魅力向上」「目的を明確化した人材確保」を集中対策の柱とし、6項目の対策を示した。 施設の魅力向上では「働き方」「就労環境」「保育イメージ」の観点で、残業や持ち帰り業務を減らすための業務改善や、各種補助制度を十分に活用した給与・処遇の改善、保育の魅力発信などを盛り込んだ。 集中対策を計画的に進められるよう保育施設と市それぞれの取り組みの道筋を示し、対策の具体例や施設に給付される主な加算項目の一覧も付けた。 9日は吉村座長ら委員4人が奄美市役所を訪問。安田市長と、市内14の認可保育施設・地域型保育事業所を代表し、朝仁保育園の加世田勇園長が提言書を受け取った。 吉村座長は市に対し「各施設に寄り添った支援と提言の実現に努めて」、施設側には「各施設の理念を大切にしながらも、働き方、就労環境、保育イメージのアップデートに取り組み、保育士ファーストの実現を」などと求めた。 安田市長は「具体的、実践的な提言を頂いた。まずはこの(集中対策期間の)3年間、互いに協力しながら頑張っていきたい」。加世田園長は「今後、これを実行していくことが重要。私たちも真剣に取り組み、職員一人ひとりが幸せで、ワクワクできる園を目指していきたい」と語った。