「イランの地下世界」を20年歩いて見えた…!日本人が知らない、信仰心のない「イスラム・ヤクザ」の正体
実はイスラエル贔屓のイラン国民
イランと聞いて、あなたはどんなイメージを持っているだろうか。 イスラム体制による独裁的な権威主義国家で、国民はイスラムの厳格な戒律に苦しめられている。しかも、アメリカから経済制裁を受けて、生活も苦しいのではないか…。 【写真】文在寅の「引退後の姿」がヤバすぎる…衝撃ショットを見る! 大方、こんな感じではないだろうか。 最近、パレスチナのガザ地区に対して執拗な攻撃を行うイスラエルに対して、イランがミサイル攻撃を行ったことが日本でも大きく報道された。イラン国民は、イスラムの敵であるイスラエルのことを嫌っていることだろう……。 日本人の多くがこんなイメージを持っていることだろう。しかし、実態は真逆である。 イラン国民のあいだではイスラムへの反発や無関心がひろがり、棄教や改宗をする人までいる。いかに国から逃げ出すかを真剣に考えるほどに、体制を敵視する人も多い。そうしたイラン人にとっての敵とはイスラム体制を敷く政府そのものであり、敵の敵であるイスラエルはむしろ味方という感情があるという。 そして、イランは日本が大好きな日本と日本人を愛してやまない親日国だ。イメージだけでは他国は語れない。そう強く思わせられるのが、イランの実態を赤裸々に映し出した『イランの地下世界』(角川新書)だ。 著者の若宮總さんは、10代でイランに魅せられ、20代以降は留学や仕事でイランに長期滞在した生粋のイラン・オタクである。 辺境地ルポルタージュの第一人者であるノンフィクション作家の高野秀行氏が「唯一無二」と熱烈に推薦する同書は、目からうろこのイラン観のオンパレードだ。 しかも、本書はイラン政府にタブー視される危険性もあるほど核心をついている。イラン・イスラム共和国の検閲システムは国外にも及んでおり、批判的な人物はすべて諜報機関にマークされてしまうという。 もちろん、若宮さんに体制転覆の意図など微塵もないのだが、本書の発表にはペンネームを使用することを余儀なくされた。 アカデミズムもジャーナリズムも著し得なかった「イランの真相」が克明につづられる本書は、在野の研究家の若宮さんだからこそできた珠玉の一冊だ。 さっそく、若宮さんに話を聞いてみよう。