代表メンバーから“ハリルイズム”を読み解く
ヴァイッド・ハリルホジッチ新監督のもとでチュニジア代表(27日・大分銀行ドーム)、ウズベキスタン代表(31日・味の素スタジアム)との国際親善試合に臨む新生日本代表のメンバーが19日、日本サッカー協会から発表された。 就任から6日間という短い時間のなかで選考されたこともあって、ハビエル・アギーレ前監督のもとで臨み、ベスト8で敗退した1月のアジアカップ・オーストラリア大会のメンバーが中心となった。 しかし、そのなかにも独自色を見出すことができる。アジアカップで日本歴代最多キャップ数を152に更新した35歳の大ベテラン、MF遠藤保仁(ガンバ大阪)が外れている点だ。 アジアカップメンバーからはDF植田直通(鹿島アントラーズ)とFW豊田陽平(サガン鳥栖)も外れている。しかし、前者はリオデジャネイロ・オリンピック出場を目指すU‐22日本代表への招集と重複していて、後者は招集メンバーにけが人が出た場合に入れ替わるバックアップに名前を連ねている。 つまり、実質的に外れたのは遠藤だけとなる。ひな壇の横にスクリーンを設け、自らが名前を読み上げるたびにその選手の写真を映し出す方式で31人の招集メンバー、12人のバックアップメンバーを発表したハリルホジッチ監督は、最後に自ら遠藤に言及している。 「日本代表に長く貢献してきた遠藤選手は、リストに入っていません。皆さんもご存じの通り、私はワールドカップ・ロシア大会への準備のために日本に来ています。前にいた選手(の顔ぶれ)をさらに変えて、ここにリストを作りました。しかし、日本代表のレベルをかなり高いレベルまで上げてくれた遠藤選手のことを忘れてはいけません。彼に対して敬意を表するということを、ここに付け加えたいと思います」 アギーレ前監督も、チームを始動させた昨年9月の段階では遠藤を招集していない。しかし、アジアカップ前で最後の国際親善試合となった同11月のホンジュラス戦前に満を持して復帰させ、準々決勝でUAE(アラブ首長国連邦)に敗退するまでの6試合すべてで先発させている。 昨シーズンのJリーグMVPを獲得した遠藤のパフォーマンスそのものはいまでもJリーガーのなかでトップレベルを維持しているが、2018年に開催されるワールドカップ・ロシア大会開幕時には38歳になっている。 新監督は、メディアに質問される前に遠藤について触れ「私はワールドカップ・ロシア大会への準備のために日本に来ています」と言及した。3年後をにらんで、あくまでも現実主義にのっとって日本代表チームを作り上げていくということなのか。元日本代表MFで現在は解説者を務める水沼貴史氏は、ハリルホジッチ新監督が招集したメンバーリストの印象をこう語る。