コンシェルジュが紐解く、今どきの富裕層のお金の使い方とは?
目の肥えた富裕層を相手に、常に彼らを驚かせる特別な経験を提供してきた、コンシェルジュ会社「アルカディア」の才津香果(さいつ・かぐみ)社長。彼女の人並外れた経験値と審美眼を深掘りする連載がスタート! かぐみ社長だけが知っている! リアルセレブの遊び方
富裕層向けコンシェルジュサービスを運営するアルカディア代表取締役の才津香果(さいつ・かぐみ)さん。贈り物選びから旅の手配などなど、世界のセレブリティのあらゆる要望に応えるなかで見てきた、富裕層の遊び方、そしてお金に対する共通の哲学とは? 自身も旅マニアとして、世界のラグジュアリーリゾートをめぐり続け、これまでかけた自腹・旅費総額は9億円超え! その旅で見つけたセレブのための驚きのサービスなども今後ご紹介します。連載第1回はコンシェルジュという仕事、そしてそこから垣間見える富裕層のお金の使い方を語ってもらいました。
「ご予算」をお伺いするのは最後の最後
ご家族のバースデーパーティーの企画から、旅の行き先のご提案・コーディネート、ヘリやプライベートジェットの手配。さらに、海外からのお客様の接待、美容クリニックやファッションのご提案など、ありとあらゆるご要望を承るのが、コンシェルジュという仕事です。 お客様の日常に関わるほぼすべてのことをお手伝いさせていただいておりますので、プライべートにおける秘書のような存在とも言えるかもしれません。 世の中、何をするにもまず【予算】というものがあるでしょう。予算がいくらだから、できること、できないことがあり、あらゆる仕事はまずその予算を計算することから始まると思います。けれど私たちからお客様にご要望をお伺いする際に「ご予算はおいくらですか?」とお聞きするのは実は最後の最後なんです。 なぜなら富裕層の方々は、払う価値のあるものであればいくらでも払い、価値を感じないものにはたとえ少額でも払いたくない、という思考をお持ちだからです。
ご子息の誕生日パーティーを世界でも有名なテーマパークで開催し1日で1億円使った王族のお客様や、仲間の結婚パーティーに5000万円かけお祝いをした経営者の方もいらっしゃいました。お世話になった先輩へ贈りたいから数千万円の限定スポーツカーを世界中から探してほしいという依頼もありました。 そのくらい、富裕層の方というのは価値を感じるものにはお金を惜しみなく使います。そういう方々と対峙する際、知らなくてはいけないのは予算ではなくその方の価値観です。予算に合わせるのでなく、お客様の目的や価値観に合わせて、私たちが適正な予算を提示しなくてはなりません。お客様と同じ目線を持ち、限りなくお客様の立場に立つことが求められています。