修理にも非常時にも活躍できる工事用ライトでいいとこどり
暗所作業用として使おうと考えているのであれば、専用のライトを選ぶのが一番。工事現場などで見かけるバルーン型ライトを選ぶという手もありますが、さすがに個人では持て余してしまうでしょう。そこで目を付けたのが、2つのライトを装備した「EZ37C6X」です。 【もっと写真を見る】
懐中電灯やキャンプのランタンなど、ライトはLEDを使った製品がすっかり定番となっています。明るく、バッテリーで長時間使え、しかも寿命が長いとなれば、定番となるのも当然でしょう。 こういったLEDライトは普段使いとしてはもちろん、非常時の備えとしても便利なものです。ただし、どちらかといえば小型・軽量を重視したものがほとんど。それなりの明るさで周囲や足元を照らそうとすれば、数メートル先までが限界というものも少なくありません。 普通の照明として使うのであれば、大まかに見えていれば十分なので、多少暗くても問題ありません。しかし、暗い場所での屋外作業用ライトとして使いたければ、話は別。薄暗いと手元が見えにくく、ドライバーを探すのが大変だったり、ネジやネジ穴が見づらかったりして、作業効率が大幅に落ちてしまいます。 家庭でも使える暗所作業用ライト こういった暗所作業用に使おうと考えているのであれば、専用のライトを選ぶのが一番。工事現場などで見かけるバルーン型ライトを選ぶという手もありますが、さすがに個人では持て余してしまうでしょう。 そこで目を付けたのが、パナソニックの「EZ37C6X」(実売価格1万7190円)です。遠くまで明るく照らせるスポットライトと、手元を照らすワイドライトの2つのライトを搭載し、多くのシーンで活躍できます。それでいて、片手で持てる大型懐中電灯くらいのサイズですから、使い勝手がよさそうです。 このEZ37C6Xと別売のバッテリーEZ9L54を借りてみたので、どんな使い勝手なのか試してみましょう。 オン/オフから明るさ調整まで片手でできる 片手で持てるといっても、重量は本体だけで約880g。バッテリー込みだと約1.6㎏もありますので、手で持ったまま使うというのはあまり現実的ではありません。あくまで置いて使うというのが基本です。 本体は結構高さがありますが、バッテリーがかなり重たいので安定感は抜群。多少押したところで倒れる心配はありません。 ライトを移動するときに便利なのが、持ちやすいグリップがあること。このグリップの内側にライトのオン/オフスイッチ、外側には明るさ調整ダイヤルを装備。移動から設置、ライトの調整までを片手でできるため、作業中の調整も手早く可能です。 オン/オフスイッチは、押すたびに動作が変化。1回目でスポットライトのみ、2回目でスポットライト+ワイドライト、3回目でワイドライトのみ、4回目でオフと変わっていきます。 明るさ調整は、L~M~Hの順で明るく変化。無段階で変化するため、明るすぎず暗すぎず、ちょうどいい明るさに調整できます。ちなみに明るさは、最大1500lmのスポットライト、最大500lmのワイドライト両方が連動。片方だけ調整するということはできません。 スポットライトは上方90度、下方20度、左右各90度に無段階調整が可能。本体を置く向きを合わせれば、ほぼどの方向の対象も照らせるというのが強みです。 ただ、ここでちょっと不思議に思いました。上下の調整は理解できますが、左右は本体を置く向きで調整できますし、なんでわざわざできるようにしてるんだろう、と。 2ヵ所を同時に照らせるのが強み その理由は、使ってみたらすぐに分かりました。2つのライトで同時に照らせば明るい、というのは当然ですが、向きを変えれば、スポットライトとワイドライトで、それぞれ別の場所を照らせます。これがキモ。 工具を置いた手元と作業する場所とが近ければ、ライトは1つでも問題ないでしょう。しかし多くの場合、工具は手元や足元に置きますが、作業する場所は少し離れていたり、光が届きにくい奥の方だったりします。 こんな時でもEZ37C6Xなら、ワイドライトで工具を照らしつつ、スポットライトは作業用ライトとして利用できるわけです。 ちなみにスポットライトは非常に明るく、玄関ライトに匹敵するほど。さすがに15畳くらいのリビング~キッチンを照らすとそこまで明るくなりませんが、天井に照射すれば、難なく移動できるくらいには明るくなりました。 これだけ明るければ停電時や災害時であっても、真っ暗で何もできないなんてことにはなりません。非常用のライトとしても間違いなく活躍してくれます。 2つのLEDライトが埋め込まれている玄関ライトと比べどのくらい差があるのか試してみましたが、スポットライトを最大輝度で天井に照射すると、元より明るく照らされました。最小輝度だとさすがに薄暗いですが、それでも靴を履くには十分です。 面白いのは、USB Type-A端子を装備し、5V1A出力の充電器としても使えること。小型の電動ドライバーの充電はもちろん、スマホなんかも充電できます。充電忘れでバッテリー容量が心もとないときや、非常時などに活躍してくれるでしょう。 このほか、持ち歩きに便利な肩掛けベルトが付属しているので、長距離移動時はこれを使うのがオススメです。 パナソニック電動工具を使っている人に最適 約1500lmとかなり明るいこともあり、LEDは結構発熱します。この対策としてファンが内蔵されているため、照射時は結構ファンの騒音が聞こえます。静かな環境で使いたい、という場合は、ファンの回らないワイドライトだけで使うといいでしょう。 一番の問題は、バッテリーが別売だということでしょうか。素直にバッテリーと充電器のセットを購入すると、安くても2万円台前半~半ばくらい追加の予算が必要となります。本体が1万8000円前後ですから、合わせると4万円以上。さすがに、ライトにこの金額を出すのはプロでない限り厳しいです。 ただし、すでにパナソニックの電動工具を使っていて、バッテリーと充電器があるというなら話は別です。この場合はEZ37C6X本体だけでいいため、ハードルはだいぶ下がります。 万人にオススメするのは難しいですが、これがあると屋内外の作業はもちろん、アウトドアや災害時にも心強い味方となってくれることは間違いありません。使いやすくて明るい作業用ライトが欲しいと考えているなら、チェックして欲しい製品です。 ●お気に入りポイント● ・2ヵ所を1台で同時に照らせる ・下向き20度の首振りが地味に便利 ・USB出力付きで充電器になる この記事を書いた人──宮里圭介 PC系全般を扱うフリーランスライター。リムーバブルメディアの収集に凝っている。工作が好きだが、最近あまり時間が取れないのが悩み。 文● 宮里圭介 編集●こーのス