小さい頃は泣き虫…パリ五輪レスリング「金」日下尚選手の強さの原点は“相撲”と地域の温かさ【香川】
パリオリンピックレスリング男子で、高松市出身で初出場の日下尚選手が、8月8日未明、グレコローマンスタイル77キロ級で金メダルを獲得しました。 初出場で金という偉業を成し遂げた日下選手。意外にも少年時代は自信が持てず悩んでいた時期もありますが、それを変えたのは、レスリングと一緒に取り組んできた相撲でした。 (高松レスリングクラブ 山下和代さん) 「強くなろうと思った原点は中学・高校だと思う。小さい頃は体を動かすのが楽しい場所だった」 レスリングを始めるきっかけとなったクラブのコーチ、山下和代さん(57)です。日下選手が3歳の時から見守ってきました。 (高松レスリングクラブ 山下和代さん) 「よくやった。頑張った」 オリンピックの舞台で、偉業を成し遂げた日下選手。意外にも高校までは、目立った成績を残せていませんでした。 (高松レスリングクラブ 山下和代さん) 「本当に泣き虫。五輪の金メダルを取るとは誰も思わないくらい、穏やかな子だった」 穏やかで控えめな性格だったという日下選手。自信が持てず、応援されるのを嫌がっていたといいます。 (高松レスリングクラブ 山下和代さん) 「負けたらどうしよう。負けたら親が悲しむ。そういう姿を見せたくないという優しさがあった。親は陰ながら見つからないように体育館に来ていた」 しかし、中学まで並行して取り組んだ相撲で足腰を鍛え、着実に実力をつけてきました。次第に、応援を力に変えられるようになり、世界の頂に立つことができました。 (日下尚選手) 「自分がやってきた全てを信じて、自分自身を奮い立たせて前に出続けた。五輪のために小さい頃からきつい思いを乗り越えてやってきたので、優勝できて良かった」 (高松レスリングクラブ 山下和代さん) 「強くなりたいと思ってやってきたと思う。人間は変わるんだなと思う。本当に」 金メダルの原点は、地元、香川で取り組んだ相撲と、日下少年を温かく見守った周囲の環境にありました。
岡山放送