ファラデーファクトリージャパン、座間工場を新設。高温超電導線材を効率生産
高温超電導線材を製造販売するファラデーファクトリージャパン(FFJ、本社・東京都八王子市、CEO・セルゲイ・リー氏)は19日、座間工場(神奈川県座間市)の開所式を開催した。開所式典には取引先関係者や学術界などから約100人が参加し、新工場の完成を祝った。 FFJは高温超電導線材(HTSテープ)を手掛ける有力メーカー。超高温電動線材は電気抵抗がゼロであること、大電流密度と機械的強度を兼ね備える材料として、核融合関連や高磁場用マグネットなどに利用されている。FFJは神奈川県に複数の生産拠点を構えていたが、顧客の増産要求に応えるため新設する座間工場への設備集約を決めていた。 座間工場は3階建ての建屋で、延べ床面積は約3千平方メートル。エネルギー消費量は一般的な大型住宅と同程度であり、エネルギー効率が高い工場となっている。 開所式前に開かれた会見でセルゲイ・リーCEOは「複数拠点に置いていた設備を一カ所に集約し、24時間運営できる体制を取ることが可能になった」と新工場開設の狙いを説明した。また「新しい設備を導入している。従来よりも生産能力が増加する計画だ」とも述べた。同工場では、将来的に再生可能エネルギーの採用や全廃棄物のリサイクル実施にも取り組む考えが示された。 開所式には国内外の取引先などから約100人の関係者が出席した。ウェルカムスピーチには同社顧問の蓮尾信也氏が登壇。その後、セルゲイ・リーCEOと共同でFFJを設立したアンドレイ・バビロフ博士がFFJ立ち上げの経緯などを振り返った。