【注目チーム】22戦21勝の金字塔…圧倒的な力を示した現代最強チームのレッドブル、ここから黄金時代実現なるか|レッドブル|F1
2021年は8年ぶりのドライバーズタイトル獲得
迎えた2021年は開幕前からメルセデスとレッドブルの2強になるとの見方が強く、開幕から5戦までルイス・ハミルトンが3勝、マックス・フェルスタッペンが2勝と一騎打ちの様相を呈した。 新加入のセルジオ・ペレスは新たなマシンRB16Bに順応するまで時間を要した一方で、第6戦アゼルバイジャンGPではフェルスタッペンのタイヤバースト、ハミルトンの再スタートオーバーランなどもあり、トップに浮上するとそのままチェッカーを受け、レッドブル加入6戦目でキャリア2勝目となるポディウム頂点を経験した。 このシーズン、フェルスタッペンとハミルトンのデットヒートはし烈を極め、イタリアGPでは1コーナーのシケインで接触により両者リタイアという場面もあった。それでもフェルスタッペンはトラブルに見舞われたレース以外はすべて1位か2位で終える安定感と強さを示し、第18戦メキシコGP終了時点で、ドライバーズポイントではハミルトンに19点差離し、初戴冠に大きく近づいた。 だがそこからハミルトンはサンパウロGP、カタールGP、サウジアラビアGPと3連勝をマークし、両者369.5ポイントで最終戦アブダビGPを迎える。ここではポールスタートのフェルスタッペンがターン1でハミルトンに抜かれ、そのままライバルのハミルトンがラップリーダーとして周回を重ねる。 20~21周目にはソフトタイヤの第1スティントでロングランしていたペレスが、ハミルトンと激しいバトルを展開し、2番手ハミルトンと3番手フェルスタッペンの差は、8秒から1.5秒まで狭まった。ハミルトンを抑え続けたペレスについてフェルスタッペンはチーム無線で「チェコはレジェンドだよ」と賛辞を贈っている。ベテランとなったメキシコ人ドライバーの手腕が、まさに大きく生きた戦いとなった。 その後ハミルトンはラップリーダーとして周回を重ね、追うフェルスタッペンとしては完全に手詰まりの状況となった。だが終盤の53周目にニコラス・ラティフィがクラッシュし、セーフティーカーが入ると状況が一変する。 ハミルトンはトラックポジションを失うおそれがあることからそのままステイアウト。一方でフェルスタッペンは迷わずソフトタイヤにスイッチし、2番手でトラックに戻る。そして最終58周目の1周を残してレース再開となり、フェルスタッペンはターン5でハミルトンをオーバーテイク。そのまま逆転でフェルスタッペンがアブダビGPを制し、同シーズン10勝目をマークして初のドライバーズタイトルを手にした。 レッドブルとしては2013年以来となるドライバーズタイトル獲得。そしてホンダのパワーユニットとしては第2期となるマクラーレン・ホンダ時代、アイルトン・セナの1991年戴冠以来、30年ぶりの年間王者輩出となった。