クジラ・淀ちゃん処理で「多くの疑義」大阪港湾局、内規違反・疑い28件…物品受け取りや会食
昨年1月に大阪湾に迷い込んだクジラの死骸処理費が試算の2倍以上に膨らんだ問題に関連し、大阪市は3日、過去約2年間に大阪港湾局の職員が事業者から物品を受け取ったり、事業者と会食したりするなどの内規違反や、違反する可能性のある行為が28件あったと発表した。 【動画】紀伊水道沖の海中に沈められるマッコウクジラ「淀ちゃん」(2023年)
発表によると、内規違反やその可能性のある行為は▽社名入りのバスタオルや菓子の受領6件▽業者名の入ったカレンダーなど事務用品の受領5件▽自費や主催者負担による会食やパーティーへの参加17件――の計28件。うち2件はクジラ処理に関わった業者に絡むものだった。
また、クジラ処理に絡み、職員が私費で購入した日本酒を契約先の業者に贈った1件は、内規には触れないが、市民に疑念を抱かせる行為とした。
市は今年6月、市入札等監視委員会からクジラ処理の契約に関与した職員の行為が内規「公正契約職務執行マニュアル」に違反すると認定されたことを受け、2022年4月~今年7月に同局に在籍し、契約や発注に携わった職員402人を対象に聞き取りで調査を実施していた。
横山英幸市長は3日、「二度と起きないよう、再発防止も含めて徹底していきたい」と述べた。
クジラ処理を巡っては、市監査委員も4月、「多くの疑義がある」と指摘し、第三者機関による調査などを市長に勧告。市から委託を受けた、市外部監察専門委員の弁護士によるチームが金額の妥当性などを調べ、来年2月をめどに報告書をとりまとめる予定。