50~51歳が日本人の「閉経」の平均。知っておきたい、その後の体の変化
40代50代と、年齢を重ねていくにつれ、健康や心のモヤモヤを抱えがちです。ESSE読者からの閉経を迎える不安についての疑問を、産婦人科専門医の高尾美穂先生が解説します。心と体の変化や、閉経後の健康維持法をアドバイス。
読者のお悩み:生理が来ず、そろそろ閉経。この先、心得ておくことは?
生理周期が2~3か月に1回になり、日数も量も減り、ここ半年は生理が来ていません。そろそろ閉経だと思いますが、それを調べることはできますか? また、閉経後に気をつけることを教えてください。(Oさん・50歳)
閉経しても女性であることに変わりはありません
閉経とは卵巣機能が低下し、生理が来なくなった状態を指します。生理が12か月来なければさかのぼって最後の生理が閉経のタイミング。閉経が近づいてきたことを知る、わかりやすいサインが生理の変化です。生理周期が2~3か月に1回になったり、生理期間が短くなったり、経血の量にバラツキが出始めたらそろそろ閉経の可能性が。ただ、個人差があるので、突然生理が来なくなる人もいます。 このように把握しにくい閉経ですが、血液検査で女性ホルモンの値を検査すれば、閉経したか、おおよその判断ができます。気になる人は婦人科で検査を。また、閉経を迎えると「女性でなくなったようで寂しい」と感じる人がいます。当たり前ですが、閉経しても女性であることに変わりはありません。生理痛やPMSなどで悩んでいた人にとって、悩みから解放されるときでもあります。悪いことばかりではないので、前向きに捉えましょう。
閉経後は生活習慣病のリスクが上がると心得て
日本人の閉経の平均は50~51歳。相談者さんは、あと半年待ってみても生理が来ない場合は、閉経と考えるのが普通でしょう。閉経直後には、大きな体の変化はありません。しかし、健康と美の守り神・女性ホルモンのエストロゲンがほとんど分泌されないことで、肥満になりやすくなるほか、脂質異常症、動脈硬化、高血圧、糖尿病など生活習慣病のリスクが高まります。また、骨粗しょう症も少しずつ進行していくので要注意です。 閉経後は、今まで以上にバランスのいい食事と定期的な運動を心がけ、適正体重を保つこと。健康診断の結果にも目を光らせながら、健康的な毎日を過ごしましょう。とくに運動は生活習慣病のリスクを下げ、丈夫な骨をつくる大切なもの。家事の最中でも「ながら」でできる運動はたくさんあるので、意識して体を動かしてくださいね。
ESSE編集部