ドラゴン桜作者が「日本のマンガは世界のどこにも追い抜けない」と語る根拠
『ドラゴン桜』や『アルキメデスの大戦』などのヒット作を生み出した三田紀房さん。今でこそベストセラー漫画家として知られる三田さんですが、30歳になるまで漫画家になることは考えていなかったといいます。夢がなかった少年時代、巨大な借金を背負うことになった20代、漫画を描いても売れなかった30代...。 【写真】外国人観光客が驚いた"日本の駅弁"の美しさ そんな三田さんの半生を綴った『ボクは漫画家もどき イケてない男の人生大逆転劇』(講談社)が発売されました。講談社にて行われた出版記念の記者会見では、「日本のマンガの行方」について三田さんがお話されました。
マンガは、産業としては認められていなかった
いま、漫画家さんの数がとても増えています。要するに、マーケットが拡大しているので、当然書き手も増えてくるんです。そして、みんな儲かってそうなところに参入するんです。結局金かと言われるかもしれませんが、やっぱりお金って大事です。何か物を作ったら、一番リターンが多そうなところに人は集まります。 それは決して悪いことではなくて、むしろ業界としてはそれをもっともっと後押ししていいと思うんです。マンガは長いこと、産業とは見なされてきませんでした。マンガを産業にして、経済振興に役立てようという意識は実はあまり無かったんです。 何故かというと、マンガでも小説でも映画でも、はっきり言って、車や電気、ハードウェアと比べると市場規模が2桁違うんです。 いま日本のマンガの市場規模は大体6000~7000億と言われていますが、それは大企業の中堅ぐらいの売り上げでしかない。色々と支援事業は行われていますが、基幹産業としてはなかなか国に認められません。 でも、ここから裾野を広げて、メディアとのいろんな組み合わせが出てきたら、爆発的に市場は大きくなると僕は思います。マンガ単体では小さいけれど、これからいろんなメディアと手を携えて、二次作品、三次作品がどんどん生まれてくると、日本は世界最強のコンテンツ国家になると僕は思います。