ロシアのビザを取得して北方領土の国後島へ行った男性を直撃 渡航自粛の中、いったいなぜ?
ビザを取得せずに北方領土へ渡航する方法としては、ビザなし交流・自由訪問・北方墓参の3つの枠組みがありました。しかし、新型コロナやウクライナ侵攻の影響で、2019年を最後に渡航は途絶えています。
国後島出身でいまは根室に住む古林貞夫さん。 【古林貞夫さん】 「本当に帰りたいという気持ちでいっぱいですが、なかなかそういう状態ではないんですが一番にお願いしております」 元島民ですら、島の土地を踏めない日々。古林さんも、本音と建前の狭間で揺れ動く思いを抱き続けています。 【古林貞夫さん】 「足腰が丈夫なうちにもう1度島に渡って島の土を踏みたい。ロシアのビザをとれば、(ロシア側が)墓参を許すよという可能性はないわけではないと思う。ただそれは今まで(の主張)に反する結果になりますので国民の一人としてはできない」 ビザを取得して渡航するという行動についてこう苦言を呈しました。 【古林貞夫さん】 「そういう人が増えてきたことについてはロシアに対してこれから交渉に(影響を)与える可能性があるんですよ。その辺は十分に配慮した行動をとっていただきたい」
日ロ関係に詳しい専門家は、問題点を次のように解説します。 【北大・岩下明裕教授】 「ビザを取って行くということは、相手の領土だと認めて行く、という手続きを取りますから、それが積み重なっていくと日本政府の法的立場が弱くなる。捕まえたりするのは『自分たちの権限が及ぶところだ』と日本人に見せているわけですよ。いやがらせもあるでしょうけれど半分わざと捕まえていますよ。警告というのはロシアの法行為ですから、それに従ったというのは日本国民がロシアの法律にロシアの領土で従ったということなんですよ。単に『行った』以上に法的効果というのはあります」
HTB北海道ニュース