JX金属の伸銅品4~9月期販売量、25%増へ。在庫調整が進展
JX金属は2024年度上期(4~9月)の伸銅品販売量を前年同期比25%増の月間平均2500トンと見込む。ユーザー在庫の調整が進み実需見合いの販売に戻ったことで、同社は「回復が当初予想より3カ月程度早い」(百野修常務執行役員・機能材料事業部長)としている。 同社は23年度下期に黄銅条から撤退するなど品種構成の見直しを図っている。こうした中でも需要回復を受け販売量が増加している。 主要品種別の上期販売見通しは、りん青銅板条が同3%増の750トン、圧延銅箔が同38%増の750トン、コルソン合金板条が同50%増の680トン、チタン銅板条が同75%増の190トン。EV向けや民生向け需要は盛り上がりを欠くが、AIサーバーのコネクタ向け需要が旺盛で、23年度を上回る販売を見込んでいる。チタン銅は強度や耐熱性が評価されており、採用が増加。7月の生産量は過去最高の220トンに上った。 23年度下期は伸銅品販売量が同15%減の2千トン。りん青銅板条は同14%減の700トン、圧延銅箔は同11%増の530トン、コルソン合金板条は前年同期並みの530トン、チタン銅板条も前年同期並みの120トンだった。スマートフォン向けは22年下期から23年下期にかけて在庫調整が進み、23年下期後半から需要が戻り始めたものの、りん青銅の民生向けは、中国の不動産不況の影響か需要が回復しなかった。 今年度下期の見通しは同17%増の2300トン、通期の見通しは同22~23%増の2400トンで、「9月の米系スマホ新モデルの発表次第で上下する可能性がある」(百野氏)としている。