“歴史的低迷”の西武に光明はあるのか? 暗黒期突入の危険性も…期待の“若手有望株”はいる!
“右の大砲候補”
2人目の“有望株”は、育成選手ではないが、2022年ドラフト2位の古川雄大だ。高卒2年目の外野手である。 佐伯鶴城時代、甲子園出場は果たせなかったが、大型外野手としてスカウト陣の注目を集めていた。当時、他球団の担当スカウトは「とにかく飛ばす力は凄いです。練習では本当に凄い打球を放ちますね。ただ、試合ではなかなか当たらない……」と話していた。 しかしながら、筆者が現場で視察した3年夏の大分大会、対大分南戦で、特大のホームランを含む長打2本を放ち、強烈なインパクトを残している。それに加えて、脚力と肩の強さがあり、攻守で粗削りながら、ポテンシャルの高さを感じた。 プロ入り後の古川は、体作りに専念。2年目となる今季は、二軍での出場を増やし、6月15日の巨人戦で公式戦初ホームランを放つなど、成長ぶりを見せている。二軍で経験を積む段階であることは確かだが、これだけスケールがある“右の大砲候補”はなかなかいない。早めに一軍を経験させることも検討してもよいのではないか。 これほど負けが込んでいれば、開き直って大胆な切り替えができるはずだ。“暗黒期”への突入を避けるために、西武には編成と選手起用の両面で思い切った決断を求めたい。 西尾典文(にしお・のりふみ) 野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。 デイリー新潮編集部
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