“歴史的低迷”の西武に光明はあるのか? 暗黒期突入の危険性も…期待の“若手有望株”はいる!
「3割打者」は3人だけ
確かに、規定打席に到達して打率3割を超えている選手は、セ・パ両リーグ合わせて、サンタナ(ヤクルト)と近藤健介(ソフトバンク)、田宮裕涼(日本ハム)の3人しかいない(交流戦終了時点)。 ちなみに、昨年も打率3割を超えた選手はわずか5人。30本塁打以上を放ったのは、41本の岡本和真(巨人)と、31本の村上宗隆(ヤクルト)だけだった。西武以外の球団も、打てる選手を喉から手が出るほど欲しいという状況だ。 他球団からの補強が難しいとなれば、西武は、自前の選手を何とか引き上げるしかない。6月3日に高卒3年目の大型左腕である菅井信也(2021年育成3位)、同9日にはルーキーの外野手、奥村光一(育成6位)を支配下登録した。彼らはすでに一軍デビューを果たしている。 現在の支配下登録の人数は66人。上限の70人まで4枠が残っている点を考慮すれば、育成選手からの昇格も今一度、検討すべきだろう。
積極的なバッティングが魅力
そうしたなか、筆者は二人の“有望株”に期待を寄せている。1人目は、育成4位ルーキーの金子功児だ。光明相模原時代は無名の存在だったが、チームメイトで注目を集めていた捕手の町田隼乙を視察したスカウトの目に留まり、BCリーグの埼玉武蔵に入団した。 BCリーグの1年目は打率.210と苦しむも、その年のオフに筋力アップに取り組んだことで、翌年は成績を大きく上げて、西武のドラフト指名を勝ちとった。 二軍の成績をみると、17試合の出場ながら17安打を放ち、打率.304を記録している(6月19日現在)。ショートとセカンドで軽快なプレーを披露し、2つの盗塁を決めている。パワーは、前出の奥村に劣るものの、確実性は金子が上回っており、積極的なバッティングが魅力だ。 基本的にセカンドとショートが本職だが、BCリーグ時代にはサードをこなしており、内野ならどこでも守れる。長年、チームを支えてきた源田壮亮と外崎修汰が30歳を超えており、チームの将来を考えても、金子の早期抜擢を望みたい。