【サッカー日本代表 板倉 滉の「やるよ、俺は!」】第26回 W杯最終予選・豪州戦で見えたもの、11月アウェー2連戦への決意
守備陣については、クロスを上げられても、基本的には対応できていたし、真ん中もしっかり抑えられていた。ただ、クロスの出どころ、相手の起点となる選手を確実に潰しに行くとか、そういった課題はしっかり確認した上で今後修正が必要になるだろう。 57分の彰悟さんのオウンゴールはしょうがないものだった。言ってみれば〝事故〟のようなもので、僕らDFにとってはいくらでもありえることだ。普段の練習であれば、彰悟さんも難なくクリアできる。 でも、W杯への切符がかかったアジア最終予選の張り詰めた緊張のもと、あのような相手の単純なクロスだからこそ、僕らDFはめちゃめちゃ気を使ってプレーしようとする。 彰悟さんもそんな意識だったはずだ。僕ら守備陣は10本中1本決めてチームを勝利に導く前線の選手と違って、10本のうち9本クリアしても、1本ミスしただけですぐに失点につながってしまう宿命にある。 だからこそ、ミスした後に引きずることなく、気持ちを切り替えて頑張れるかが肝心だ。そういった意味で彰悟さんは崩れることはなかった。 守備面では、守田君にもずいぶん助けられた。IQの高さが半端じゃない。すべてのプレーが、〝サッカーを知り尽くしている選手〟のそれだ。薫にも同じことがいえる。小学生の頃から同じチームで一緒にやってきているが、インテリジェンスを感じる。 オーストラリア戦は航君が不在で大丈夫なのかという声が多かったようだが、(MF田中)碧をはじめ人材は豊富だし、みんな試合に出たくてギラギラしている。 DFもケガ人が多く人手不足といわれていたが、僕らは同じメンバーで難しい試合も無失点に抑えてきた。もちろん、トミ(DF冨安健洋)とかが帰ってくればうれしいけど、この先も臆することはない。 ひとつ付け加えておけば、(DF長友)佑都君にはいつも感謝している。出場機会がなくとも、選手入場の際には最後尾について、ピッチへ出ていく瞬間「行ってこーい!!」と、誰よりも大きい声で雄たけびを上げて送り出してくれる。 これは恒例化していて、僕らは毎回背中越しに佑都君の雄たけびを待ちわびている。「そろそろ来るぞ来るぞ」と。確実にチームの雰囲気が良くなるし、テンションも上がる。本当にありがたい存在だ。