【サッカー日本代表 板倉 滉の「やるよ、俺は!」】第26回 W杯最終予選・豪州戦で見えたもの、11月アウェー2連戦への決意
■試合直前、三笘薫とのやりとり 10月15日のオーストラリア戦は、埼玉スタジアムが満員と聞いて奮い立った。ホームだし、3戦続けてクリーンシート(試合の最後まで失点しないこと)を達成していたので、もちろんこの試合でも無失点で勝つことを目標にしていた。 でも一方で、ここまで無失点をキープできたからこそ、万が一、失点してしまったときにメンタルがブレないよう、チームとして崩れないようにする必要があることは肝に銘じていた。 オーストラリアは僕らと同じ3-4-2-1の布陣で臨んできた。ただ、基本的には5バックでコンパクト、非常にタイトな印象を持った。特に中央の堅さは後ろから見ても明らか。だからといって、弱気になって引いているわけではなく、高い位置に最終ラインを設定して、個々の身体能力を存分に発揮していた。 この日は、航君が出場せず、(MF)守田(英正)君がキャプテンを務め、守備的な役割を担っていた。相手は3枚でハメてくるだろうと予測して、こちらは場面ごとに守田君が下りてきて、4バックになることで対応した。 (DF谷口)彰悟さんと守田君のふたりで相手FWのデュークに対して2対1の状況をつくるようにしていた。 僕が意識していたのは、DFの役割を担っている以上、カウンターやロングボールを警戒して、満遍なく相手のチャンスの芽を潰すことだった。もちろん、場面によっては攻撃の起点となって、積極的に前線につなぐことも考えていた。 前線の選手は皆ボールをどんどん受けに来てくれるし、ポジショニングも良いので、出し手としては好都合。いい所にパスをつけようと準備していた。 実は試合前に(MF三笘)薫から「(球を)持ったタイミングでダイアゴナル(斜め)を見ておいて」と声をかけられていた。右CBの僕がボールを持ったところで、対角線上の左サイドの前線にいる彼にパスを出してくれ、というわけだ。 試しに出した序盤の1本は、相手が5バックで並んでいたこともあり、あまり効果的ではなかったけど、ハーフタイムに薫と再度話し合い「がっつり対角というよりは、出すタイミングを遅らせて若干斜めに出すぐらいがいいかもね」といった細かい修正をした。 試合を通して、僕は比較的フリーだったので、前が空いていれば、すかさずボールを運んでいった。反省点としては、もうちょっと高い位置を取っても良かったし、もっとほかにできることはあったようにも思う。