実写『バババ』吉沢亮&板垣李光人、起用の理由は?「たつの湯」撮影の裏側公開
これまで吉沢は『ブラックナイトパレード』(2022)や、本作の浜崎慎治監督と組んだ『一度死んでみた』(2020)をはじめ、多数のコメディー作品に出演しているが、本人もコメディーというジャンルに思い入れがあるようで、本作の撮影をこう語っている。
「コメディ作品への出演は久し振りでした。僕自身コメディを観るのが好きで、昔からコメディに対する憧れが強いんです。いまだに演じる際は緊張しますが、セリフのテンポ感や、これ以上やったらつまらないだろうなとか、とにかく間を意識していました」
この日、撮影が行われた「たつの湯」は、原作で蘭丸が働く銭湯「こいの湯」のモデルとなった老舗銭湯。映画化する際に、この地で撮影することは譲れない条件だったといい、鴨井は「原作のモデルとなった銭湯であるのはもちろんのこと、映画の撮影地としても最高なんです。ここまで引き尻があって、風情のある面構えの銭湯はなかなかないので。撮影で真っ先にご相談したのがたつの湯さんでした」と振り返る。吉沢も「煙突がすごくいい味を出だしているなと思いました。映画で出てくる煙突ってCGで作ると思っていたので、実際にあるんだという驚きがありました。外観もおしゃれですよね。毎日汗だくだったので一風呂浴びてから帰りたいなって、いつも思っていました(笑)」と魅せられた様子だ。
撮影されたのは、蘭丸が恋敵である葵に行動を起こすシーン。浜崎慎治監督、撮影監督の吉田明義らが参加した。蘭丸は「こいの湯」から出てきた葵を待ち構え血を吸おうとするが、蘭丸に恋する葵はいきなりの“壁ドン”に胸キュン。そこへ偶然李仁がやってきて、蘭丸が葵にキスしようとしていると思い込む……と勘違いの連鎖が巻き起こるコミカルなシチュエーションだ。吉沢と浜崎監督は2020年公開の映画『一度死んでみた』で組んでいることもあり、気心が知れた様子。この時、葵を待ち構えていた蘭丸はなぜか胸の上で手をクロスしたポーズをとっていたが、吉沢が監督の元を訪れ「手のひらを閉じるか閉じないか、どちらがいいのか」と相談する一幕もあった。 壁ドンシーンについて、吉沢は「急に少女漫画チックになるんですけど、それが素直に笑ってもらえたらいいなと思ったので、スマートさを出すシーンもスマートさをオーバー気味にして面白さが出ればいいなと。動きなども自分なりに考えて演じていました。現場に行ってみないと正直分からない部分もあるので、ロケーションや、相手との距離感を見ながら試してみて、違うなと思ったら変えたり試行錯誤しました」と役へのアプローチに触れる。